日本の大学を行っている人は大学4年時は卒論と就活に勤しみますが、チェコは他のヨーロッパの国を含め、そもそも就活や新卒などの概念自体がありません。
人によっては3年でストレートに卒業する人もいれば、インターンシップやGap Yearと言って1年間休学してワーキングホリデーに行ったりボランティアをしたりする人もいます。
そしてチェコの大学を卒業後も、すぐに就職する人もいれば大学院に進学をしたり、少し自由な時間を持って旅行したりと進路は様々です。
チェコの大学を卒業後の話
上に書いたようにチェコの大学の卒業後の進路は人により様々です。
しかしEU市民権を持たない日本人にとってはどうでしょうか?
今回は卒業後のビザや資格について少し説明したいと思います。
一つ結論を言いますと、日本人でもチェコでの労働許可が与えられ、チェコ人や他のEU市民と同じ条件で仕事を探し、働くことが可能になります。
労働許可とは
もしあなたが私立だろうと国立だろうとチェコの大学を卒業すれば自動的にチェコの労働許可が与えられます。
労働許可とは文字通り、チェコで働くための権利が与えられることです。
チェコ人及びEU加盟国の国民はこの労働許可をEU加盟国及びノルウェーやスイスなどでお互い認め合いどこでも働くことができます。
一方EU市民権を持たない日本人がチェコで仕事を探すとなると、ビザをスポンサーしてくれる雇用主を探す必要があります。
企業がEU市民権を持たない人を雇用するには、先ず従業員を探していると世間に公表し、
30日以上見つからない場合初めてEU市民権を持たない人を雇うことができます。
その際もチェコの労働局に「なぜ相応しい人材がEU市民の中から見つからないか、そしてなぜEU市民権を持たない人を雇うのか」を説明しなければならず、企業にとっては手間や費用がかさんでしまうので必要がない限りは日本人をわざわざ雇うことはしません。
更に言うと、レストランのウェイターなどの所謂単純労働系の仕事になりますと、EU市民がその仕事をできると労働局が判断するので、日本人に労働許可は与えられません。
つまり寿司職人や和食の料理人、通訳や翻訳、仕事に日本語が必要などの専門的な能力が必要な職種に限り企業は日本人を雇うためにビザのスポンサーになってもらえるのです。
しかし労働許可があれば、基準以上の給料がもらえされてさえいればEmployee Cardという労働許可と居住許可がセットになっているものが簡単に申請できます。
Employee Card
Employee Cardの申請にあたって大事なのは、これは仕事を見つけてから申し込むことです。
仕事が見つからない限りはこれは申し込めませんので注意してください。
Employee Cardの申請はビザや居住許可の申請方法と大体一緒になります。
外国人警察に事前に申請のための予約をとり以下の書類を提出します。
- 雇用契約書(企業が用意)
- 給料や保険についての書類(企業)
- 住居の契約書
- パスポート
- チェコの大学の卒業証明書(Diploma)
- 自分の写真
- 申請用紙
学生ビザとの違いは残高証明書を提出しなくていいことです。
ビザの切り替えはチェコ国内からでき、かつ切り替えている間も労働が認められているのでEmployee Cardを待っている間に仕事を始めることができます。
申請した最初の一年目は1年間有効のEmployee Cardが与えられ、2年目以降更新すると2年間有効のEmployee Cardが取得できます。
仕事を探す猶予期間
大学を卒業後も2ヶ月間猶予が与えられその間に仕事を探すことができます。
これは私の推測ですが、2ヶ月を超えても日本人はチェコ及びEU加盟国とビザ無しでの入国を180日中の90日間認められているので、チェコ及びEUに残ることができるはずです。
ただ、私はこのことを数年前にチェコ以外の日本大使館職員から聞いたので、念のため確認をオススメします。
卒業後の2ヶ月以内に就職先を見つけることですが、実際2ヶ月と言うのはあまり長くはありません。
卒業後チェコで就職を考えている方は卒業前から仕事を探し始めることをオススメします。
就職後に起こり得る解雇
チェコではProbation Periodと言う2ヶ月〜3ヶ月の試用期間を設けています。
この試用期間中は雇用者も雇用主もお互い特別な理由無しに退職、解雇が簡単にできますので一度就職したからと言って安定しているわけではありません。
これは雇用契約書にProbation periodの欄がありますので、そこで試用期間は何ヶ月なのか、そして何日前に解雇、退職の通知が必要なのか書かれいていますので署名する前にちゃんと確認しましょう。
これを過ぎると雇用主が雇用者を解雇する場合は理由が必要になり、最低30日前の事前告知が必要になります。
もしあなたが失業した場合はUrad praceという労働局に失業の手続きを行い、再度60日以内に新しい仕事を見つける必要がありますので注意が必要です。
60日を過ぎて仕事が見つけられないと、有効期限が残っていてもEmployee Cardが失効になります。
今回の手続きやビザに関する情報は法律が改正されると変わってしまうので気をつけてください。
最新の情報はチェコ内務省より確認ができますので詳しい情報はそちらを参照することをオススメします。
The Ministry of the Interior of the Czech Republic: Employee Card