ここが日本と違う!ヨーロッパで就活する人が押さえておきたい点

日本での常識が、欧米ではまったく通用しないケースが多々あります。

我々に馴染みのある、就職活動、も、その違いが鮮明に表れるものの代表ではないでしょうか。

私は、ヨーロッパ2ヵ国で現地企業の正規社員として就労し、同じように面接をパスし、働いた経験がありますが、やはり、就活に当たり勝手の違いに多々驚かされました。

日本人が持つヨーロッパ就職への誤解を埋めるため、今回はヨーロッパにおける日本人の就職事情をまとめていきたいと思います。

何が違う?ヨーロッパで日本人が就職活動する際の心得

まず、前提的な理解として、日本の新卒採用とヨーロッパの採用とで決定的に違うものが以下の2点です。

  • 日本は新卒一括採用であるのに対し、ヨーロッパは基本空いたポジションの募集となる
  • 日本はジョブローテーションが一般的であるが、ヨーロッパはスペシャリストの育成に重点を置く

これが、どのように我々の就職活動に影響してくるかというと、日本での就職の場合、ライバルは他の大学生です。同じように仕事上の経験もないため、あまり差がつきにくく、会社側も面接で「学生時代になにをしたの」という漠然とした質問から、将来の成長性を占わなくてはいけません。

ところが、ヨーロッパの場合、一つの空いたポジションに対し、国籍も年齢も性別も問わず、様々な応募がかかります。仮に、アカウンティングマネージャーのポジションに応募しようとしたら、別の応募者は40歳アメリカ人男性で、ばりばりアカウンティングの業務をこなしてきた人かも知れません。

それゆえ、ある特定の時期に一括で面接を行ってくれる日本の就活に対し、ヨーロッパの場合、それぞれが個々のペースでもって、CVの提出、面接、賃金交渉などを進めていくことになります。

ヨーロッパ就職に求められるもの、言語、経験、将来のビジョン

実際に、ヨーロッパにあるヨーロッパの企業に就職しようと考えた場合、どのような資質が必要になってくるのでしょうか?端的に言い表すと、言語能力、経験、将来のビジョンが、私が各国の仕事を経験した中で、必要だと感じた3要素です。

1.言語能力

言語能力に関しては、もはや明快かと思いますが、仕事上で必要とする言語スキルそのものです。私は現在ドイツの会社で働いていますが、その場合、ドイツ語、英語のスキルは必須です。

社内ではドイツ語で会議をします。もちろん、ドイツ人は英語が堪能ですが、わざわざ私一人のために、毎回会議を英語で行ってくれるわけでもありませんので、やはりビジネスレベルでその国の言葉が必要になってきます。

また、社外との折衝は時に英語で行われますので、こちらもビジネスレベルが必要になってくることが多いです。

2.就労経験+成果

ヨーロッパで就職するに辺り、もっとも必要になってくるのが、過去の仕事経験です。ヨーロッパの大学を卒業するなど、よっぽど特殊な事情がない場合、必ず仕事上での経験・成果が求められてきます。

また、過去の経験・成果と、現在応募されている職種とは、似た分野であることが望ましいです。例えば、以前営業系の職種を経験し、今回からアカウンティングに応募したい、といっても、難色を示されます。

加えて、その分野でどのような実績を残したのか、という点についてアピールできることが重要です。例えば、日本のメーカーで5年働いて、その際に中国マーケットの拡大に貢献しました、というのであれば、同じようにドイツのメーカーで中国マーケットを拡大したいという期待に応えることができます。

単に、日系企業で働いたことがある、というだけでは弱いので、自分の得意なマーケット、分野などをアピールしなくてはいけません。

3.将来のビジョン

自分が、会社側の求める要件を満たしていたとしても、向こう側が気になるのは「どれだけその会社(ヨーロッパ)に残る気概があるのか」という点です。

やはり、海外に一度も来たことがない、日本だけでキャリアを積んだ人をヨーロッパの企業が採用するのは、かなり勇気がいることだと言っていました。

往々にして、そういった人たちはみな、仕事だけではなく、環境の変化についてこれず、早期に退職し、帰国してしまうからです。

ビザの手配、事務手続き、教育費など、新しい人を雇う際に会社が負担する手間と金額は、膨大なものです。そのため、彼らもすぐにやめられては困りますので、「ヨーロッパに残るの?」「日本に帰らなくていいの?」という点をかなりプッシュして聞いてきます。

ここで、お茶を濁すような返答はマイナスポイントになりますので、はっきりとヨーロッパに残る旨を伝えましょう。

上述した3点以外にも、海外の大学での留学経験、学歴、アカデミックな分野での表彰も、当然加点ポイントになってきますが、私の感じた限りでは、上述の3点が、面接時(CV提出時)に特に重点を置かれるポイントだと思います。

次回以降、具体的なCVの書き方、面接での返答についてまとめていきます。