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ドイツの大学とアメリカ、イギリスの大学の大きな違いは、応募要件にドイツ語を課す学校が多い、という点です。そのため、ドイツの大学受験を目指す多くの人々が、ドイツ語の勉強に時間を費やすます。
ドイツ大学院受験に際して、一つのゴールともなる語学証明書の獲得ですが、具体的に、どれほどのスコアが必要となってくるのでしょうか？
今回は、ドイツの大学院受験で必要とされるドイツ語のスコアについてまとめていきます。
ドイツの大学（院）の募集要項
大学の学部によってまちまちですが、大きく分けて、以下の3つが募集要項のポイントになります。
- 大学時代の成績（GPA）
- 語学の成績（英語、ドイツ語）
- 志望理由書
以下の記事で説明していますが、ドイツの大学院を受験する場合、大学時代の成績はGPA換算で2.5以上が望ましく、3.0以上あればだいたいどこの大学院も受験できます。
リンク：ドイツの大学院進学に必要なGPAと足りない時の対処法
それ以外に、ドイツの大学院を受験する場合、英語、ドイツ語、またはその両方の語学証明が必要になってくるケースが多いです。
ドイツの大学（院）受験で求められる言語レベル
ドイツの大学院を求められる言語能力で大別すると、以下の3つに分類されます。
- German Only
- English Only
- Both German and English
もちろん、学部によりけりで、求められる言語能力は異なります。例えば、私の勉強していたビジネス系の学部では、タイプ3に該当する「Both German and English」というパターンが多く、ドイツ語C1レベル＋英語B2~C1レベル、という募集条件でした。
文学部、MBAプログラム、エンジニアや脳科学などの分野では、英語のみ、という条件のところも多く、要するに「専攻」次第といった印象です。
英語のみで受験できる大学リストなどに関しては、以下の記事を参照ください。
ドイツは、昨今多くの留学生を取り組む努力を国ぐるみで行っています。その成果の表れか、如実に、中国、インド人などの優秀なエンジニアがドイツに移住し、技術分野で活躍し始めています。 そういった彼らのために、ドイツの大学は「英 …
ドイツの大学（院）受験で求められるドイツ語レベル/証明書
基本的に、大学や学部によりけりなのですが、ドイツ語C1レベル、というのが一つの基準になります。
具体的に、どのようなCertificationがドイツ語C1レベルとみなされるかは、これもまた大学、大学院によりけりなのですが、一般的に、以下のような試験に合格すれば、ドイツ語レベルが認証されます。
DSH
Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang（大学入学用ドイツ語試験）の略称です。どんな試験かというと、ドイツ語に関するリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングのスキルを問われる試験で、大学で受験することが可能です。
DSHでC1レベルとみなされる場合、大抵の大学でスコアDSH-2を設定しています。
私の知る限り、後述のTest-Dafと並んで、ドイツの大学・大学院受験で広く認められている公式なドイツ語の証明テストです。
Test-Daf
DSH同様、ほとんどのドイツの大学・大学院が、Test-Dafの成績をもってドイツ語の証明とみなしてくれます。
上述のDSHとの違いは、DSHのほうはドイツの大学でしか受験できませんが、Test-Dafのほうは、日本にいながらでも受験することが可能な点です。
DSH同様、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの分野のスキルを問われ、それぞれ5点満点で評価されます。大学の募集要項などで4×4と書かれていたら、すなわち、4つの分野それぞれで、「4」点以上をとれ、ということです。
Ein TestDaF-Zeugnis, das in allen vier Fertigkeiten mindestens die Stufe 4 ausweist, wird von der Universität Münster anerkannt
「4つの科目それぞれで、4点以上の成績を有する者が、ミュンスター大学では認められる」
Goethe Institution
世界各国に点在するドイツ語学校、ゲーテ学校の試験も同様に、多くの大学で証明書として認められています。こちらも、Test-Daf同様、4つの科目が必要になり、総合的にC1のスコアを残せば、有資格者として認められます。
その他
TELC（ゲーテ試験より易しいと言われる）、DSD（Deutsche Sprachdiplom）、あとは、ドイツの高校を卒業した、なども、同様に有資格としてみなされることもありますが、実際に、どのような要綱を課すかは、割と大学・大学院によりけり、といった部分が多いです。
基本的には、上記の3つの試験（DSH,Test-Daf,Goethe）はドイツのほぼすべての大学に認知されているので、TELCなどを受験するよりは、汎用性が高いです。
ドイツ語の勉強に必要な期間
上記の要件をどれくらいの期間で満たせるかは、人によりけりです。聞くところによると、もともと持っている英語のスキルなどが、ドイツ語の習得期間に大きく影響してきます。
ゼロから始めた場合、早い人では半年、遅い人では2年くらい要する人もいますが、一般的には1年くらいが平均的な期間だと考えられています。
勉強に関しては、ドイツに渡航後に始める人もいれば、日本にいながら勉強する人もいます。私個人的には、ある程度の基礎を日本で身に着けてから、ドイツに来て、実践的にドイツ語スキルを向上させる、というやり方が、時間、金銭的な面でみて一番効率的かと思います。