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日本では大学を4年間でストレートに卒業をするのが当たり前で、留年はネガティブに取られることが多いです。
しかしチェコやヨーロッパでは学生の年齢層は幅広く、人によってはストレートに卒業せずインターンやアルバイト、交換留学のために卒業を伸ばす人もたくさんいます。
外国人にあたる日本人にとって、実はチェコの大学を卒業延長させるかストレートに卒業するかは考える点があります。
卒業を延長させないといけないことはありませんが、延長することによるメリットを紹介したいと思います。
実はこの問題チェコの永住権を取得を考えている人にとっては関わってくる問題なので在学中に知っておいたほうがいいことなのです。
学生を維持するメリット、すぐに卒業するメリット
先に結論を言っておくと、もしあなたが優秀な留学生で就職なり大学院進学なり大学卒業後の進路が確定していたら卒業を伸ばす必要はありません。
しかし卒業を延期させることによりインターンに申し込む時間の余裕ができたり、学生ビザの延長ができ、その間に就職先や大学院の申込先など時間に余裕を持って取り組むことが可能です。
チェコの大学は1年次から3年次まで講義、試験、課題、卒論と忙しくあまりまとまった余裕のある時間はありません。
加えて日本の4年次の様な就活と卒論にフォーカスのみする時間というのが無いので、気づいたら大学卒業が決まったが卒業後の進路が決まっていないということがありえます。
実際自分がそうで、大学と仕事探しなり大学院探しなりを並行してやるということが上手くできず、結果卒論にのみフォーカスをして卒論が終わる頃に友人の助けをへて運良く就職先が見つかりました。
私は大学を3年間ストレートで卒業できてよかったと思っていますが、一方卒業を延長して卒業後の進路をより良くできた可能性もあったかもと感じました。
ビザの扱い
当たり前ですが大学を卒業すると以後は学生ビザの更新をすることはできません。
日本人でも大学を卒業後はチェコ内での労働許可が付与され2ヶ月間仕事を探す猶予があり、この間にフルタイムの仕事を見つけられればスムーズにemployee cardという労働許可と居住許可がセットになったIDカードの申請をすることができます。
この点はこちらで詳しく書いてあるので興味がある方は読んで見てください。
日本の大学を行っている人は大学4年時は卒論と就活に勤しみますが、チェコは他のヨーロッパの国を含め、そもそも就活や新卒などの概念自体がありません。 人によっては3年でストレートに卒業する人もいれば、インターンシップやGap …
大学卒業後は日本に帰国するのであれば関係ありませんが、仕事を探す場合2ヶ月というと正直あまり時間の余裕が無く、宛てもなく1から仕事を探すとなると苦労します。
たくさんの企業のリサーチやリクルート会社への登録、CV作成、空きのポジションへの申し込み、面接などなどやることは山ほどでてきます。
そういう時間的問題を避ける上でわざと卒業を延期して学生ビザを延長させるのも一つのメリットがあります。
実際私は非EU市民の学生がヨーロッパに残るためにわざと卒業を遅らせてその間に仕事を探していたり、ボランティアやインターンをしている人にたくさん会いました。
卒業延期のメリット
ヨーロッパに残りたい人にとっては上に挙げた様にビザの心配がいらなくなることは大きいです。
ヨーロッパの大学では卒業を伸ばしたところでそれをマイナスに評価されることは無く、人からなぜ遅らせたのかという質問を受けることもあまりありません。
ちなみに私が卒業した大学では記憶が正しければ、卒論のみを残して卒業できない(又はしない)場合8,000コルナ(約40,000円)を支払えば1年間延長して大学に籍を残すことができます。
これにより1年間の猶予を作り改めてじっくりとチェコやヨーロッパでフルタイムの仕事を探すことができます。
チェコでは学生の労働が認められており、一部の学生は在学中にも関わらずフルタイムに近い様な働き方をしてたりします。
これにより卒業を延長してもスムーズに就労、卒業、そして完全フルタイムへの移行を行う人がでてきます。
メリットの2点目に、講義があるとインターンに参加することは実際難しいですが、卒業を延期すれば在学中のインターンも非常にやりやすくなります。
学生の間のインターンであれば大学からのサポートを受けて申し込むことができ、(大学を通さないと申し込めないケースもある)更に一定の条件を満たせばEUから補助金を受けてインターンができたり、単位の交換まで認めてくれたりと実はメリットがあります。
どこの大学にもインターンを募集している掲示板が用意されていたり、大きい大学になるとキャリアセンターもあって就職やインターンをサポートしてくれる専門部署があります。
例えば国際機関などの専門性が高いものや外交関係などのインターンは大学や教授のサポートが必要にの可能性があり手間ですが、国際関係で働きたい学生にとってはこのインターンを行うことによって将来へのキャリアの手助けになります。
メリットの3点目はこの期間でもエラスムスの交換留学プログラムを利用することができることです。
交換留学は学士課程、修士課程において各2学期間行くことが認められており、エラスムスプログラムを通して交換留学に行った場合は日本人であってもEUからの補助金を受け取ることができます。
私が行った年は補助金は3段階で分けられており、ルーマニアなどの物価の安い国の場合は月に300ユーロ(約40,000円)、ドイツなどは月に400ユーロ(約52,000円)、そしてスウェーデンなど物価の高い国は月に500ユーロ(約65,000円)貰えました。
交換留学の経験は貴重で多様性の中で学ぶことができ、語学はもちろん、日本やチェコですら経験できないことが学ぶことができます。
交換留学は自分の履歴書にも書くことができ、将来働いて見たい国や住んで見たい国がある場合は交換留学を通すことによって、そこの国の人と出会う機会やその国の文化を学ぶ機会が与えられます。
交換留学は卒業を延期しなくても2年次や3年次に行くことができますが、申し込みや手続きの関係でスムーズにいかないこともあります。
私は交換留学に2学期間行きたいと希望していましたが、2年次はビザの関係上行くことができず、3年の後期は卒論に集中したかったこともあり結果3年の前期に1学期間オランダに行くことが精一杯でした。
もしできるならもう1学期交換留学に行きたかったです。
延長のデメリット
もちろん延長することによってデメリットもでてきます。
1点目としてはやはり余計な費用がかかることです。
もし卒業後日本に帰るなり、既に卒業後の進路が確定している人にとっては卒業を延長するメリットはあまりないでしょう。
そしてもう一点、大きく影響することがチェコの永住権の取得に余計な時間がかかることです。
チェコの永住権
チェコに住んでいる日本人にとっては永住権の取得が一つの目標になると思います。
チェコの永住権を持っていればビザの更新をする必要がないので手続き的な負担がグッと減ります。
日本人でも5年間チェコに住むとチェコの永住権を申請する権利が与えられます。
しかしこれは申請できる権利があるだけで、申請すればみんなに与えられるわけではなく、永住権の付与されるかどうかはチェコ政府が判断することになります。
そしてこの5年間というのは単純に5年住めばいいということではありません。
学生ビザの場合は基本的にチェコにあまり税金を納めていないので時間のカウントが半分になってしまいます。
なので仮に大学卒業を延長して4年間在籍しても、時間は半分の2年間として計算され、3年間改めてチェコで働き税金を納める必要があります。
チェコの永住権取得を最初から目標にするのであれば3年で大学を卒業し、すぐにでも就労した方が早く永住権の申請を行うことができます。
まとめ
大学をすぐに卒業するか延長するかはあなたの進路によって判断が分かれてきます。
もしあなたが卒業後もチェコやヨーロッパに残るのを希望するのであれば延長を考えるのも一つの手です。
特に卒論以外の全ての単位が取れているなら勉強に時間を割く必要が無く、また学費の負担も低いのでこの間パートタイムなりフルタイムに近い条件で働くことも可能であり、貯金をすることも可能でしょう。
逆に卒業後日本に帰る場合や、最初からチェコでの永住権取得を目標にしているのであればできる限り早く卒業する方がいいでしょう。
卒業を延長をするメリットはありますので自分の目標に合わせて考えて見てください。