具体的に、ヨーロッパの会社の面接で、どのようなことを聞かれるのか、私の経験をもとにリストアップしていきます。
インタビューの構成
ジョブインタビューは45分~1時間くらいです。小さい会社であれば1次面接だけで終わることもありますが、大抵2次、場合によっては3次面接まで要します。
それぞれの面接で、誰と面接をおこなうかは異なりますが、その部門の責任者+人事部、みたいなケースが多いです。
基本的に、会社まで赴いての面接となりますが、遠方の場合、skypeなどで面接を行うこともあります。ドイツの場合、大抵、面接にかかる交通費は会社が負担してくれます。
以下、インタビューの詳細です。
前座:スモールトーク
面接者の仕事は、会社に適さない人材を振り落とすことはもちろん、同時に、面接時に応募者の魅力を最大限に引き出すことでもあります。そのため、多くの場合、最初の数分は、スモールトークから開始され、アイスブレイクがおこなわれることが多いです。
「今回はどうやってここ(会社)まで来たの?」「遠かったでしょ」という質問が一般的になされます。定説かは分かりませんが、私の聞いたところによれば、ロケーションやオフィスを褒めるところから始まるようです。
なので「いやー駅から遠かったです、苦労しました」というよりも、「駅から離れて、中々静かな環境でいいですね」みたいな雰囲気にもっていくと、印象が良いようです。
ただ、前座はあくまで前座ですので、コミュニケーションを重視する日系企業と違い、ヨーロッパ企業での面接の際に、ここでの会話が合否を分ける、ということはそこまでありません。当たり障りのない内容で会話を続けられたら合格です。
自己紹介
多くの場合、CVに書いてあることの繰り返しになりますが、自己紹介を求められます。
自己紹介といっても、生年月日から趣味まで全部説明しろ、と言っているわけではなく、端的に、1)学歴、2)職歴を述べろというのが趣旨になります。
日本の応答型のインタビューと違い、ヨーロッパの場合、もうちょっと自発的に自分をアピールしていく必要がありますので、例えば、前職でなにか良い成績を残しており、それをアピールしたい場合も、この際に付け加えて述べるなどしておいても良いでしょう。
経験
自己紹介を終えると、その中で気になった点を、人事部がついてきます。
具体的に、前職での経験、に質問の焦点が多く定められます。
「前職での業務ではどんなことをしたのか」という質問は、実務レベルで、実際にどこまで即戦力になれるのか、ということを向こうは知りたがっています。例えば、自分がすでに前職で統計を使用してマーケティングリサーチをしたことがあるのであれば、新しい会社はわざわざそれを教える必要がなくなります。
「前職での業務で、どのように成果を出したのか」という質問は、それが今の会社でも活用できるか、ということを知りたがっています。例えば、「私は中国のマーケットを担当し、中国のマーケットを拡大しました」という場合、新しいポジションが中国マーケットのオペレーションに関わる場合、有効に発揮できるため、非常に有利です。
それと関連し「この新しいポジションで、どのように成果をあげられますか」という具体的な質問もされることがあります。特に、ドイツの企業はプラグマティックに考えるので、即戦力を求める場合、そのような新業務に直結する質問を投げてきます。いくつか、事前に用意しておくと良いでしょう。
ほかにも、相手が見たい点としては、社内でのコミュニケーションがスムーズに行えるか?(言語能力に問題は無いか、チームワークの経験はあるか)、なども挙げられます。
モチベーション・将来のビジョン
どんなに会社側が求める人材だったとしても、すぐにやめられては困ります。そのため、こちらの本気度を確かめるために「うちの会社でどんなキャリアアップをしたいの」みたいなことも聞かれます。
また、私の場合、必ず聞かれる質問が「なんでヨーロッパ(ドイツ)に来たの?」です。この質問も、まさしく、「今後こいつは本当にヨーロッパに残ってくれるんだろうか」ということを知るためのものです。
ここでは、自分が本当に将来ヨーロッパに残りたいむね、そのために、こういったキャリアプランを計画している、このような成果を御社であげたい、といった、具体的で明確なプランを出していくと良いでしょう。
給料
給料は、面接の際にどのくらいほしいのか聞かれます。
例えば、前職でもらっていた給料をベースに回答するのが基本ですが、国が違うと相場も異なってきてしまいますので(ドイツ→ブルガリアに転職する場合など)、その国の似たポジションの相場を調べていく、というのも一つの手です。
また、給料は大体税引前の金額でもって交渉することになりますので、自分の手取りがいくらくらいになるのか、その国の税金や健康保険の基準をベースに事前に調べておくと良いでしょう。例えば、ドイツの場合、4割くらい税金でもっていかれます。
ビザ
我々日本人の問題になってくるのがビザの問題です。これは、面接の際に必ず聞かれますし、これが問題で採用に至らないこともあります(うちではworking permissionを出せないの、ごめんね、みたいに)。
逆に、ここをおろそかにしたまま面接を終え、採用となってしまうと、実際にオフィスに行ってから「ビザ?とってないの?」となって大問題となります。必ず面接の際にクリアーにしておきましょう。
面接の最後には、基本的に質問タイムがありますので、その際に聞いておきたい項目の一つです。