日本人はエラスムスでチェコから交換留学に行けるの?チェコの大学から交換留学の流れを解説します。

大学生の中には在学中に海外やヨーロッパの大学に交換留学をしたい人もたくさんいると思います。

実は日本人もヨーロッパの大学に正規の学生の場合はそこから交換留学に行くことができるので少し紹介したいと思います。

チェコの大学から交換留学:エラスムスプログラム

EU加盟国とノルウェーやアイスランドなどの国は共通の交換留学プログラムを用意し比較的簡単に交換留学が行えるようになっています。

私もチェコの大学に在学中3年次に1学期間オランダに交換留学に行っていました。

実はこの交換留学はメリットが沢山あり日本人でも補助金がもらえます。

チェコやヨーロッパの大学に正規入学する方はこのプログラムを通して交換留学に行くことをオススメします。

European CommissionのウェブサイトにErasmus+について簡単な統計を交えて説明してるページがあるので興味がある方は見てみてください。

EUの交換留学プログラム:Erasmus+

EU域内の正規交換留学はErasmusプログラムと呼ばれています。

交換留学先には授業料や学費などを払う必要はなく、基本的に留学先の学生と同じ待遇で勉強できるので非常に人気のプログラムです。

そして大学生は学士課程と修士課程(恐らく博士課程も)で各最大12ヶ月間(計2学期分)Erasmusプログラムを利用し、返済不要の奨学金をもらいつつ交換留学に行くことが認められています。

昔は学士課程で2学期分交換留学に行くと修士課程では奨学金はもらえなくなかったそうですが、今では学士と修士両方いけるそうです。

EU域内の大学は基本的に制度やプログラムが統一的に整備されており単位交換も比較的スムーズで1学期分の30単位は大体問題なく確保できます。

つまり域内の交換留学を行う場合は卒業を延期しないで済むというメリットがあります。

そして繰り返しになりますが、非EU市民でもチェコや他EU加盟国の大学に正規の学生であれば、ビザの手続きなどはありますがEU市民と同じ様に交換留学に行けます。

とは言え、どこの大学に交換留学に行けるのか、どの授業を取っていいのか、申し込みの要件(求められる語学レベル)などは大学ごとに変わってきます。

奨学金

EUは加盟国やノルウェー、アイスランドなどの国は域内の統合促進のために学生などに交換留学への返済不要の奨学金を提供しています。

少し細かく言いますと、大学生の交換留学だけではなく、専門学校生やインターンなどにも適用され、更に記憶が正しければ奨学金の対象国にトルコやマケドニアが入っていたりとEU加盟国+アルファとなっています。

一つ注意点なのは、アジアやアメリカ、中南米などはこの奨学金の対象ではありません。

例えばチェコからアメリカに行く学生も毎学期いましたが、彼らはこの奨学金がもらえないので他の奨学金を探すが、最悪自腹で行くことになります。

実際いくら奨学金がもらえるか。

これはいくつか要因があるので一概には言えません。

European Commissionのウェブサイトには原文にこう書いてあります。

You may receive an Erasmus+ grant as a contribution to your travel and subsistence costs. It may vary according to differences in living costs between your country and the destination country, the number of students applying for a grant, the distance between countries and the availability of other grants.

私訳:学生は旅行と生活費への補助のためにErasmus+助成金を受け取ることができます。 これはあなたが勉強している大学の国と留学先の国の間の生活費の違いや助成金を申請する学生の数、国の間の距離と他の助成金の有無によって異なってきます。

European Commission: Studying abroad, Erasmus+

 

参考として私が交換留学に行った時は奨学金は三つのグループに分けられており、北欧などの生活費が高い国は1ヶ月500ユーロ、バルト三国やルーマニア、ブルガリアなどのバルカン半島の国に行く場合は1ヶ月300ユーロでした。

2017年のチェコから行った場合の奨学金表

つまりもしあなたがルーマニアなど物価の安い国で大学を通い、そこからスウェーデンなど物価の高い国に行った場合はチェコの水準より多くもらえる可能性があります。

実際オランダで出会ったドイツ人の交換留学生は私より奨学金の額が少なかったと話をしていました。

ちなみにお金がもらえるタイミングですが、私が行った際は出発前に奨学金の80%が私のオランダの口座に振り込まれ、交換留学から戻ってきた際に残りの20%を貰いました。

大まかな流れ

大学が3年制の場合は2年次より交換留学に行くことができます。

大体申し込みは出発の2学期前から手続きが始まりますので、大学に入ってすぐにエラスムスについての案内が大学が教えてくれるでしょう。

交換留学については2年次でも3年次でも行けますが、個人的には2年次の1年間、2学期間をまるまる行くことをオススメします。

3年になりますと卒論が始まりあなたの指導教授とも色々と打ち合わせなどがでてきますので物理的に自分の大学にいないと不便なことが出てくる可能性があるからです。

2年次(3学期目)にエラスムス交換留学に行く際の流れ

選考方法は大学ごとに違いますが、大体GPAのスコアを基準にしたり語学テストや面接などでいい成績順に選ばれたりします。

他にも三年生は二年生より優遇されたり、大学の行事やあなたの大学に来る交換留学生のサポートをするメンターやバディをすると優遇されたりと様々です。

私は交換留学のための手続きをしていた中で、上の画像でいう2学期半ばの手続きを行う部分が一番忙しかったです。

例えばオランダ滞在用にビザも取得せねばならず書類集めに留学先の科目の確認、履修登録、することが山ほどあり精神的な余裕はほとんどありませんでした。

国によって住居探しの難易度は変わってきます。簡単に見つけられる場所もあれば、大学寮などが無く、自分で手配しなければいない場所もあります。

住居は行く国や大学によって左右されがちなので一概には言えませんが、大学寮がありそこに入居できるのであればそこに住むことをオススメします。

交換留学先でのエラスムス生活

手続きは大変でやらなければいけないことはたくさんありますが、交換留学はアクティビティがたくさんあったり他の交換留学生と出会えるチャンスがたくさんあるので非常に楽しいです。

大体どこの大学も新学期が始まる1週間ぐらい前に集まりオリエンテーションを行ってくれます。

この時に他の交換留学生と知り合え、講義や大学設備の使い方を教えてもらえ毎日イベントがあったりと退屈しません。

オリエンテーションで他の交換留学生と

交換留学生は比較的空き時間も多く大体毎週末はパーティーをしたり学生でグループを作り旅行に行ったりと楽しめます。

講義のレベルは行く大学によりけりですが、大体どこの大学も交換留学生には成績はあまり厳しくつけられることは多くなく、単位を落とすケースは少ない傾向があります。

チェコから交換留学に行くメリット

エラスムスプログラムはEU加盟国であればどこからでも利用できますがチェコから行くメリットがあります。

一番目として、もらえる奨学金の額が比較的いいことです。

これが隣のドイツからだとチェコより物価が高いために比較的少なくなります。

私のクラスメイトはルーマニアにエラスムスを利用していきましたが、彼は奨学金の月300ユーロで生活費の全てを賄え、帰ってくる頃にはそのお金を一部貯金していました。

二番目として、学費の高い国の大学に余計な費用がかからず行けることです。

オランダやデンマーク、スウェーデンなど直接留学すると学費の負担が日本人には大きいです。

しかしチェコの学費は西欧や北欧より安く、半分以下だったりします。

私がしたようにチェコからオランダにエラスムスで行く場合留学先に学費を支払わずにすみ、さらに返済不要の奨学金までもらえるので留学の金銭的な負担がグッと減らせます。

三番目にチェコの大学より評価やランキングの高い大学にも行くことができます。

チェコの大学でも世界的に評価の高いオランダやドイツの大学と提携していたりしますので大学のキャリアを高めたい人にとっても利用することができます。

交換留学の経験は履歴書にも書けますし、修士課程や博士課程を考える人にとってはあなたのキャリアにプラスにつなげられます。

特に進学目標の大学や国が既に決まっているのであればそこに交換留学に行くことによって事前に雰囲気を知れ、教授や知り合いを作ることもできます。

エラスムスプログラムの面白い側面

このエラスムスプログラムですが面白い側面があります。

このプログラムは既に30年以上行われており、統計では900万人以上の学生が利用し交換留学中に恋愛に至るケースが多いのです。

エラスムスがキッカケとなり恋愛に発展し、2007年までに合計で100万人の「エラスムスベイビー」が生まれたという報告があるほどです。

例えば私が交換留学に行ったオランダの大学にもヨーロッパ内外からたくさんの交換留学生が来ていました。

うち日本人も大体30名ほどいましたが、この時にヨーロッパ人の彼氏、彼女を作っている人が何人もいました。

エラスムスを利用して交換留学に行くまで手続きがあり大変な面もありますが、経験としても将来のキャリアとしても役に立ってくることでしょう。

もしあまりお金に余裕がないのであればブルガリアやルーマニアなどの物価の安い国に行けば奨学金のみで生活できたりもします。

私は元々オランダの大学に興味がありましたが、日本から留学するには学費や生活費がネックになり実現できませんでした。

しかし上にも書いたように、チェコからエラスムスを利用することにより交換留学先の大学へ学費を払う必要は無く、また月400ユーロという返済不要の奨学金ももらえたことでオランダに留学することができました。

チェコからエラスムスを利用することは特にオススメできます。