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ドイツで就職をする場合、処理しなくてはいけない手続きが多数存在します。そのなかでも特に時間も手間もかかる、労働ビザの申請について、今回は詳しく解説していきたいと思います。
ドイツと労働ビザ
ドイツ国内で労働する場合、我々日本人は必ず「労働ビザ」が必要になります。これなしで仕事をすると、自分はもちろん、雇い主側も罰せられることがあります。
中には、悪質な会社もあり、給料を手渡しでおこなうなどで、保険も支払わず、労働ビザも必要と無いような形で外国人を雇うようなケースもあるようですが、違法ですので、騙されないように注意しましょう。
以下、正式なビザ申請のルールについてまとめていきます。
ビザ申請の場所
ビザ申請を行うのは、基本的にドイツ国内の住民登録をおこなっている町の外人局です。労働契約書を会社側から受け取り次第、速やかに担当職員にコンタクトをとり、ビザ申請のプロセスをスタートさせる必要があります。
ちなみに、申請中に引っ越しを挟む場合の手続きについては、本稿末尾を参照ください。
持ち物
基本的に、ドイツでビザを申請する際の持ち物は似たり寄ったりなのですが、多少学生ビザ申請の際と異なるため、まとめておこうと思います。ただ、管轄の町によって持ち物が違う場合があるため、最終的には担当職員にコンタクトをし、必要書類を確認したほうが良いでしょう。
労働契約書(Arbeitsvertrag)Entwurf
まず、労働ビザの申請でもっとも重要なのが、新しい仕事先の労働契約書です。晴れて採用面接に合格すると、会社側から契約書のたたき台が送られてきますので、それをコピーして持っていけば十分です。
Entwurfとは、たたき台のことで、つまりオフィシャルな署名などが入っていなくても、具体的に採用されたという証拠と、仕事内容、賃金高などが分かれば問題ありません。
また、学生ビザの申請の際には、銀行残高の証明や、親による費用負担書のような書類で、ドイツ滞在中の生活費の出所を明確にしておく必要がありましたが、労働ビザの場合、この労働契約書が生活費の出所の証拠ともなりますので、銀行残高などを見せる必要はなくなります。
賃貸契約書
学生ビザの際でも必要でしたが、実際にドイツで住むところがありますよ、という証明のため、貸主と自身の署名の入った賃貸契約書も必要になります。
重要なのは、期間、住所、賃貸料などが明確に記載されていることで、又貸しであっても問題ありません(その場合、Untermieteという扱いになります)。
逆に、賃貸契約書の発行できないような居住形態の場合(例:AirBnbの短期滞在、ホテル住まい)、ビザの申請に使うことができませんので、注意しましょう。
ビザ申請書(Auftrag)
学生ビザのときからおなじみの、ビザの申請書です。パソコンからもダウンロードできますし、市役所にいけば貰うこともできます。
あんまり未完成すぎるとまずいですが、分からないところは飛ばして、80%くらい完成した状態でもっていって、わからないところは担当職員に確認、みたいな形でも問題ありません。
写真
パスポート申請用の写真が必要です。大抵、区役所には写真撮影用の機械が併設されていますが、あまり写りがよくないので、きれいに写真を撮りたい場合10€くらいはらって写真屋さんで撮ってもらいましょう。
(大学の卒業証明書)
私の場合、ドイツの大学院を卒業、そのままドイツで就職、という形でしたので、大学院の卒業証明書及び成績証明書の提出を求められました。
ただ、後述のように、私の労働ビザ申請の時期、実はまだ私の大学院の成績が出そろっておらず、この書類については後送でもOKという形にしてもらいました。
健康保険
ドイツでは、国民皆保険の原則にならって、健康保険への加入が義務付けられています。
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注意しなくてはいけないのが、健康保険証書(カード)ではなく、保険会社発行の被保険者証明書が必要になる点です。被保険者証明書は、オンラインでもダウンロードできますし、窓口にいけば印刷してもらえます。
パスポート原本&コピー
最後に、パスポートの原本とコピーを要求されます。注意点として、ビザの期間は、パスポートの残存期間を上限とする、という点があります。
つまり、パスポートが6ヵ月後に切れるのであれば、ビザも6ヵ月分しか申請してもらえず、6ヵ月後に全く同じ手続きをしなくてはいけないのです。
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ですので、パスポートの残存期間に注意し、もし1年を切っているようであれば、早めに更新してしまいましょう。
ビザ申請のタイミング
ここで、労働ビザの申請のタイミングについて、少しふれておきたいと思います。基本的に、ビザの申請から、支給されるまで、2ヵ月くらい要されると踏んでおいたほうが良いです。
そのため、4月1日から仕事を始めたいのであれば、2月中にはすでに申請を終えておきたいところです。
私の場合、学生ビザ→労働ビザへの書き換えだったのですが、4月1日から仕事を始める、という段階で、3月になってもまだ最終試験の結果を待っている状況でした。
一見するとビザの更新が間に合わず、4月1日付で働き始められないように思えますが、実は学生ビザの特権で、年間120日までは働くことが可能なのです。そのため、卒業証書の発行の関係などで、多少ビザの支給が遅れても、もともと学生だった場合、120日を期限にすでにオフィシャルに仕事を始めていて良いのです。
これは、実際に外人局に確認したことで、うちの会社の人事もOKなことだと言っていたため、公然と認められているテクニックだと思います。
ただ、このテクニックが通用するのは、あくまで学生→労働ビザ、へ書き換えをおこなうものだけですので、ツーリストビザなどではこうしたやり方は行えません。
労働ビザ申請中に引っ越しをする場合
以前の記事で書きましたが、申請中に引っ越し、というケースは多々ありえます。大学で通っていた町と、就職先の町が異なるなど、そういった場合、2つの町で申請手続きをしなくてはいけません。
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といっても、2回同じ書類を提出する必要がある、というわけではなく、現住所で提出した書類などは、新住所の管轄に全て引き継がれるため、そこまで煩雑な手続きを要するわけではありません。詳しくは上述のリンクをご覧ください