チェコ留学寄稿者33歳の井上です。
以前の記事でも書いた通り、このブログはヨーロッパで、年収600万円以上、17時に家に帰れる勝ち組生活を謳歌している日本人ブロガー達によって共同運営されています。
今回は、その中でも特に異例な、元ニートの僕のケースをピックアップして、どのように勝ち組に至ったのかをまとめていきたいと思います。
29歳までニートで素人童貞、社会底辺の僕がチャレンジしたチェコ留学
誇張でもなんでもなく、僕は29歳までニートで素人童貞でした。わずかながらにアルバイトの経験はあったものの、職歴、学歴(大学は中退したので)は真っ白の状態です。コミュ障で、免許さえなく、日本人の友達なんて全くいない状態でした。
詳しい経歴に関しては「この記事」を参照してもらえれば、と思いますが、要するに高齢ニートまっしぐらのレールに乗って、実家で絶望の年齢を重ねている状態でした。
20歳で大学を中退して以降、ほぼ9年間、無為に時間を費やしたそんな僕が、チェコの大学に正規留学したのは30歳ちょうどの時です。
ただ、その時全くなんのバックグラウンドも無かったかというとそうでもなく、ニート期間を使って、以下のことを行っていました。
- IELTS6.0(B2レベル)の英語試験に合格
- 二度のワーホリ失敗
- 正規留学のための貯金
この、僕が日本にいる際に知らずに満たした3つのポイント、すなわち「英語力」「海外経験(成功にしろ失敗にしろ)」「軍資金」は、後々僕のチェコ生活を支える大きな糧となります。
以下、簡単に紹介します。
1.英語力
まず、英語力に関しては、欧州留学、欧州で就職するために100%求められます。理想的にはC1レベルの英語試験に合格しておくことですが(イギリスやスウェーデンの大学に進学する場合)、チェコやイタリアなどの大学の場合B2レベル、すなわちIELTS6.0でも可能です。
ニートの僕は、毎日英語の勉強に勤しむ時間がありましたので、参考書とオンライン英会話を駆使して、ほぼ一年、英語漬けの生活を送っていました。
2.海外経験
チェコ正規留学以前に、僕はアイルランドでのワーホリも経験し、見事に失敗しました。具体的には以下の記事を参照ください。
[blogcard url=”https://uueuro.com/why-i-failed-working-holiday-in-ireland/”]
ただ、この時の失敗は、僕にいくつかの教訓を与えてくれています。正しい情報、現地コミュニティの重要性など、ここでの海外経験はチェコ正規留学の際に活きてきます。
このブログを運営するほかのメンバーたちも、ヨーロッパに移住する前に、必ずどこかで海外経験をしています。こうした、過去の経験なしにいきなりヨーロッパ移住はかなり難易度が高いというのが、我々の見解です。
3.軍資金
チェコの場合、年間80万円、ドイツの場合130万円程度が、必要最低限の生活費になります。9年間のニート期間に僕は、日雇いやコンビニのアルバイトなどを散発で続け、死ぬ思いで150万円を貯めました。
幸いだったのが、僕は実家に寄生していたので食費生活費一切かからず、こうしたたくわえはそのまま寝かせておくことができたという点です。
チェコの大学に正規入学、バラ色の学生生活
さて、というわけで僕はチェコに来る際にすでに留学成功に必要な3要素、「語学力」「海外経験」「資金力」を知らずに満たしていたわけで、情報面で数々の苦労はあったものの、30歳にしてチェコの大学に正規入学することができました。入学の詳細に関しては以下の記事を参照ください。
[blogcard url=”https://uueuro.com/czech-study-content/”]
日本のFラン大学を中退した僕にとって、チェコの大学生活はまさにバラ色でした。毎日行われる英語での授業、可愛いチェコ人女性、週末は友人のスペイン人たちとクラブで遊ぶ、という、絵にかいたような青春を僕は、30歳にしてようやく味わうことができたのです。
このころ、僕には語学コースで知り合った7歳下のロシア人の彼女ができました。低身長、低学歴、素人童貞でアラサーの僕でしたが、ここで美人巨乳の白人彼女ができたということは、僕の人生に大きな自信を与えてくれるものとなりました。
在学中、オランダへの交換留学も経験し、僕のチェコでの3年間の学生生活は非常に充実したものでした。
そうしたバラ色の学生生活を謳歌するうちに、僕はこの生活が一生続くものと思っていました。やがて、刻一刻と近づく「就活」の足音に全く気が付かないでいたのです。
チェコの大学を卒業、就職は楽ではない
さて、チェコは東欧と西欧のはざま、中欧に位置します。給与水準も、西欧ほど高くもなく、東欧ほど安くもない、いわば「中欧価格」です。
ちなみに、大卒初任給の手取りは10万円程度です。日本や西欧の大卒の初任給のちょうど半分くらい、といったところです。
日本人である、ということにかまけ、僕はチェコでの就活を舐めていた部分があります。いくつか現地の企業に応募をかけてみても、チェコ語の分からない僕にはなかなかオファーは来ません。
というわけで、現地の日系企業にも門戸を広げてアタックしてみました。ところが、ようやく一つ受かった日系企業は完全にブラック、毎日飛び込み営業の電話をかけさせられ、夜遅くまで残業、成果の出なかった僕は上司に罵倒され続け、2ヵ月で会社を去ることとなりました。
それでも、チェコの大学を卒業していた僕には職を探すためのビザが与えられていたため、それが救いとなりました。前回の失敗を生かし、続いてじっくりと職探しをする時間があったのです。
2つめの仕事は、フランス系の企業で、貿易関連の仕事でした。たまたま、前にいた日本人が別の国に移住するため、彼の持っていたマーケットを任せられる日本語ネイティブが探されていて、友人のチェコ人経由で面接までこぎつけました。
元ニートの僕がどうやって面接を突破したかは、以下の記事を参照ください。この企業以外にも、昨今プラハに進出する西欧系企業は目覚ましく、中でも日本語需要が増加しています。
[blogcard url=”https://uueuro.com/how-did-i-get-job/”]
ともあれ、僕は面接を突破、晴れてプラハのフランス企業に就職することに成功したのです。
フランス企業での仕事の内容と年収600万円に達するまでの2年間
中欧であるチェコで高給取りになるには、西欧の企業に就職するのが早道です。上述の通り、新卒の手取りは10万円程度で、ここから3~4万円の家賃と、3~4万円の生活費を差し引くと、1~2万円程度しか残りません。
フランス企業に新卒で入社した僕の1年目の額面は、20万円でした。ここから、3割ほど税金で引かれ、残るのは13万円程度です。
ちなみに、僕が以前勤めたブラックの日系企業は、額面こそ20万円とおなじくらいでしたが、フランス企業とは待遇が別格です。フランス企業では、年に30日の有給が与えられ、かつ、オフィスにくる時間もフレクシブルに調整可能、18時以降オフィスに残っている者は誰もいません。
さて、僕の仕事内容はというと、入って2~3ヵ月は、欧州にある日系企業への営業をしていました。
ただ、嬉しいことに僕の英語力が思ったよりも評価され、次第に取引ろ任されるマーケットが増えていくこととなります。はじめは日系企業だけだったものの、続いて韓国系、中国系も任されるようになり、欧州中を飛び回る生活を送ることになりました。
もちろん、元ニートの僕には貿易実務のことなどさっぱりわかりません。貿易女子のマドカという日本語のサイトを毎晩訪れ、黙々と自習を続けました。
西欧の企業の良いところは、年功序列ではないため、簡単に給料が上がる点です。貿易実務の理解が深まるにつれ、
入社して2年目、すでに僕の給料は額面で30万円に達しました。これにくわえ、住宅手当(西欧の会社にしては珍しく、5万円の手当がついた)、ボーナス(業績に応じて2ヵ月分程度)、出張手当を含め、年収換算で600万円をゆうに超えるようになったわけです(手当を含めているのでちょっとずるいですが)。
まとめ 誰でもヨーロッパで勝ち組になれるのか?
さて、最後に今までの僕の軌跡を振り返り、どんな日本人でもヨーロッパで似たようなルートをたどれば、年収600万円程度の「準勝ち組」になれるのかを検証します。
元ニートの僕のケースで、重要だったのは以下のポイントです。
- 日本にいたときに英語を頑張って勉強した(IELTS6.0)
- チェコの大学を卒業したため、チェコで労働ビザがあった
- チェコという市場で日本語人材が求められていた
- プラハが西欧企業の蘆苅場になりつつあった
- チェコでの大学生活を経て、英語に自信がついていた
- チェコ語の話せる彼女がいたため、情報収集の点で有利だった
恐らく、チェコという国は、日本人が比較的楽に、悠々自適な生活を享受できるぎりぎりのボーダーだと思います。これより東にいくと、日本語需要も少なく、西欧企業の給料水準もガクッと下がり、月収は10万円に達しません。
我々のサイトでは、東欧最貧国のウクライナで年収1000万円を稼いでいる日本人のメンバーもいますが、彼は元5大商社に勤め、スイスでMBAを卒業、英語、日本語、ロシア語、ドイツ語の4か国語に堪能という、異色のケースです。
基本的に、元ニート、アラサーの僕のようなスペックであれば、同じように「中欧の大学を卒業、英語を鍛える」⇒「現地の西欧系企業に就職」が、悠々自適な生活を送るための必勝法だと思います。