チェコでの月給や年収はどれぐらい?業種別にみる新卒の給料の目安を解説します

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チェコの大学に留学する人にとって、大学卒業後はチェコで就職を目指す人は結構いるのではないでしょうか?

またチェコの大学に行かなくとも、彼氏、彼女、婚約者などがチェコ人でチェコで就職を目指す人もいると思います。

今回はチェコで就職にあたっての新卒の給料がどれぐらいになるかについてお話ししたいと思います。

2020年チェコでは給料はどれぐらい?業界ごとの大卒の給料をみていきます!

チェコで転職支援サービスを提供しているHaysという企業が2019年に公表したチェコでの労働市場のトレンドと給料ガイドを基にチェコで業種別に新卒でどれぐらいもらえるかをみていきたいと思います。

これは関係ない話ですが、このウェブサイト先日私の友人の仕事を探すお手伝いをするために使いました。

UIや使い勝手は悪くなかったですが、残念ながらその友達はHays経由では一度も連絡が来なかったです。

しかし友人と一緒に求人を見ていると職種ごとに給料の傾向が見えてきて、これは就活を始める前に、さらに理想を言えばチェコに来る前に知っておいた方が良い大切な情報だと感じたので記事にしました。(当たり前と言えば当たり前ですが)

就活や求人サイトの話は別の機会に譲るとして、今回はチェコの給料事情についてデータを紹介しながら解説したいと思います。

チェコの失業率と地域別給料

チェコでは安い労働力などを背景に安定した経済成長を続けており、空前の低失業率を維持しているおかげで賃金も安定して上昇しています。

こちらはEurostatというEU傘下の組織が公表している統計から出したチェコ、ドイツ、EU全体の失業率の推移のグラフです。

2019年11月の統計でもチェコの失業率は2.2%と、EU内で最低(ちなみに次点でドイツの3.1%)となっており非常に売り手市場になっているのが分かると思います。

引用:CzechInvest: Average gross monthly wages in the Czech Republic (in EUR), Q2 2019

こちらはCzeck Investmentのウェブサイトが公表している2019年第二四半期の地域別平均月給です。

やはり首都であるプラハが一番賃金が高くなっています。

地域別の平均給料については今回のテーマでないのであまり具体的にはいきませんが、一点だけコメントができるのはチェコで2番目の都市はBrnoになりますが、実はブルノよりプラハ 周辺やドイツ、ポーランドと国境近くの地域なども給料面において引けを取らないのは興味深いですね。

業界、職種別の新卒給料

さてヨーロッパの事情を知っている人はそもそも新卒というものが一般的でないことをご存知でしょう。

日本みたいに大学在学中に一斉に就活し、卒業してすぐに正社員として働くスタイルはヨーロッパにありません。

一応Fresh Graduateという新卒に近いものがあり、基本的にキャリアのスタートという位置付け的で給料もかなり下なものがあります。

さて記事の最初で紹介しました、Haysが公開している資料(英語)では職種別に最低、最高、一般の三つの数値を出しています。

注意点としてはこの三つの数字は法的に決められた数字などではなく、労働市場の慣習と傾向として出てくるものとなります。

なので「最低」の金額より高い求人情報はたくさん見つけられますが、「一般」に出てくる金額は既に経験のある転職者でオファーされる額になるので、新卒レベルでは達しないことが多いということを覚えておいてください。

新卒の人は最低額を基準にして見てもらえば良いと思います。

データ

業種最低(コルナ)最低(円)一般(コルナ)一般(円)
BI Developer4500021510065000310700
CADデザイナー4000019120050000239000
ITアドミニストレーター4000019120060000286800
ITマーケティング4000019120045000215100
銀行(バックオフィス)4000019120055000262900
製造プロジェクトエンジニア4000019120050000239000
デジタルコーディネーター4000019120045000215100
調達アシスタント3700017686040000191200
営業サポート3500016730050000239000
金融マーケティング3500016730045000215100
製造R&D3500016730040000191200
テレフォンセールス3500016730045000215100
秘書3500016730045000215100
不動産仲介3500016730040000191200
プログラマー3500016730060000286800
ロジスティクス3500016730040000191200
シェアードサービス:ITサポート3400016252036000172080
製造エンジニア3400016252040000191200
サプライチェーンコーディネーター3200015296047000224660
シェアードサービス:カスタマーサービス3200015296035000167300
ウェブデベロッパー3000014340060000286800
会計3000014340033000157740
金融リース営業3000014340045000215100
小売業マーケティング3000014340050000239000
マーケティング3000014340035000167300
営業2800013384035000167300
ホテルマーケティング2800013384033000157740
HRサポート2500011950035000167300
オフィスレセプショニスト2500011950028000133840
銀行(フロントオフィス)2500011950030000143400
トラベルエージェント2500011950035000167300
コールセンター2200010516030000143400
ショップアシスタント2100010038025000119500

こちらピックアップしてる職種は日本人で新卒でも応募できそうなものを載せています。

あなたがチェコ語や他の外国語ができれば給料は高いものを期待できますし、職種の幅も広がります。

英語のみの場合は外資系がメインのターゲットになりますし、逆にチェコ語しかできない場合は地元企業がメインになり、外資系への応募は難しくなります。

厚労省が公表している2019年の大卒の初任給は約210,000円となっており、チェコの給料は日本より40%〜10%程低くなります。

当たり前ではありますが、チェコで仕事を探す際は職種、業種で収入がかなり変わるので慎重に選びたいところです。

またチェコ全体の傾向としては現在IT業界が隆盛していて初任給も高いものが期待でき、また昇給の可能性もあります。

IT系は求職件数も多く、また必ずしもチェコ語を必要とせず英語のみで応募できる場合もあり、外国人にとっては比較的チャンスの高い職種と言えそうです。

元の資料には業種別に説明文があり、職種をさらに細かく出していますので興味がある人は英語ですがそちらをご覧ください。

チェコでの新卒年収

これまでチェコの月給を見ていきましたが、年収はどうなるでしょうか?

ここは日本と少し違う部分があるので注意が必要です。

日本ではボーナスで3ヶ月分や多いところでは5ヶ月分などが出る場合がありますが、これは企業の業績や個人のパフォーマンスで変化してきます。

チェコやヨーロッパでは給料として一年間に13ヶ月や14ヶ月の給料が保証されている求人があったりします。

この場合は保証されているので基本的に景気に左右されることがありません。

しかし業績やパフォーマンスによるボーナスは日本ほど大きくないのが私の印象です。

Radio Prague Internationalの2019年の記事(英語)によると、Swedenのコンサルタント企業Universumがチェコでは全体の新卒の給料の期待額は31,500コルナと報告しています。

31,500コルナは1コルナ4.78と計算すると約150,000円になり、これに13ヶ月分かけると約1,957,000円となりこれがチェコの年収の目安になります。

求人が12ヶ月分の場合はこれに1ヶ月分給料を引き、逆に14ヶ月分のオファーの場合は1ヶ月分の給料を足した額が大凡の年収となります。