【ドイツ就活読本1】ドイツで日本人が仕事を始めるときの手続きとは?

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日本に住んでいるときでも、退職や就職、転職に伴う事務手続きは苦労の連続で一苦労です。ことドイツにいたると、もはや全てが初めてのことで、自分だけでは手に負えなくなります。

ところが、困ったことにドイツの企業は割と人任せで、あまり能動的にこっちを助けてくれることはありません。今回は、そんなドイツに就職が決まってから、仕事を始めるまでの事務手続きについて書いていきます。

面接に合格すると

私の場合、10月に内定が決まりました。ただ、だからといって11月から急に働けるわけではありません。我々日本人は、外人である以上、ビザ、住居の問題などにじっくりと時間を費やさなくてはいけないのです。

内定をもらった当時はまだ大学院生だったこともあり、成績が出そろい、会社側のビザの用意が出そろい、最終的に仕事を開始したのは1月の中旬となり、約3ヵ月を準備に要しました。

契約書を読む、サインする

まず、面接に合格後、いの一番にしなくてはいけないのが「契約書」の確認です。ドイツは契約書文化として知られており、全てのビジネス行為は、もっぱら契約書に基づいて処理されます。なので、自分の身を守る意味でも、まず、「契約書を通読」することから始めなくてはいけません。

私も、面接に合格したとき最初に人事に言われたのが「契約書PDF送るから、なるだけ早く全部読んで、OKなら教えて、分からなかったら質問してね」とのことでした。

この契約書の通読ですが、非常に面倒です。理想をいえば全部読む必要があるのですが、一応、以下の記事で特に重要な部分をまとめてありますので、参考にしてください。個人的には「告知期間」「給与の計算」などは熟読しておくべき項目だと思います。

契約書は、両者がサインをした瞬間に効力を発揮しますが、逆にいえば、それ以前はいかなる法的効力も持ちません。時間に余裕があるのであれば、じっくりと時間をかけて契約書を読み、不明点は明瞭にしておきましょう。

ビザ

私の場合、大学院を卒業⇒ドイツで就職、という流れですので、恐らく、なにもドイツにバックグラウンドが無い状況からドイツにくるよりかは、比較的スムーズにいったほうだと思いますが、それでも難航する部分がありました。

まず、私の大学院の卒論を終えたのが11月のことでしたが、卒論を出し終えた瞬間に労働ビザに切り替えられるわけではありません。卒論を提出し、卒業証明をもらうまでは、学生ビザでいる必要があるのです。

というわけで、11月の初めに卒論提出、成績もらえるまで2ヵ月はかかるだろうとのことから、12月は待機、1月から仕事を開始しよう、と人事と打ち合わせをしました。

ただし、万が一12月中に卒業証明が出ないと、1月から働けないので、念のため契約書の「仕事開始」の期間は未定にしておいて、ビザが下りたらここは埋める形でいいよ、と言ってくれました。

あとは、大学院のその時点での成績などを人事に提出したら、人事の人が最寄りの外人局にいって、色々処理してくれました。

ちなみに、ドイツの場合、法的に定めがあるようで、私がすでに内定をもらっているにも関わらず、「公平な機会を与える」という名目で、私が内定をもらったポジションと全く同じポジションの公募がなされます。これは出来レースなので、誰かが応募してきても対応はしないようです(誰も応募できないように、人事側でものすごいハードな応募要項を作っていましたが)。

住居処理

さて、上述のビザなどの手続きと並行して行わなくてはいけないのが、新住居、および現住居の処理です。

新住居の手配

まず、一番優先順位が高いのは、新住所の手続きです(引っ越さなくてはいけない場合)。学生ビザのままインターン等をするにあたっては、労働ビザに書き換える必要がないので問題ありませんが、労働ビザを取得する場合、ドイツ国内に住所(実質上の住所ではなく「賃貸契約書を介した」法的に明確な住所)が必要になるので、とくにこの点は真っ先に解決されるべき問題です。

日本のように、会社が借り上げ社宅をもっていて、というケースはほぼなく、仕事はじめまでに、住むところは自分で都合しなくてはいけません。会社側は大抵「できれば早く仕事始めてほしい」というのですが、それはあくまで会社側の都合であって、こちら側からしてみると、新しい住居を探すのに最低でも1ヶ月は必要です。

住居の中には「男性お断り」「学生のみ受付可」というところも少なくなく、一旦社会に出てしまうと選択肢が狭まるのですが、それでも、ドイツの会社で働いて、毎月給料が発生してます、という点をアピールすれば、なんとかインターネットサイトなどを駆使して(WG-gesucht.deなど)住居を探し当てることは可能です。

最悪、エージェントに頼る、という手もありますが、礼金を取られるうえ、ドイツの不動産仲介人の中には悪質なものも少ないので要注意です。

もちろん、引っ越さずに仕事を開始できる場合、この作業自体必要なくなります。

現住所の処理

さて、仕事の始まりが決まったら(引っ越しが必要な場合)、現在の住居の処理をおこなわなくてはいけません。ドイツの住居は、通常、契約にもよりますが、退去の3ヵ月前に管理者に通知を行わなくてはいけません。

そのため、もし仕事はじめが「翌月から」とか言われると、それまでに、自分の次に入居する人を自分の手で探し当ててこなくてはいけません。探せない場合、該当期間の家賃は自分で支払い続ける必要があります。

ドイツの場合、貸し手側の売り手市場なので、上述のインターネットサイトなど使用すれば、早ければ1週間もかからずに借り手が見つかります。