ドイツで働くサラリーマンが見た:ドイツとのビジネスで注意する7つのポイント

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国によりビジネスの法律、制度は異なります。ヨーロッパでは、明文化されている税法などよりも、むしろ日々の商慣習のほうが、ときとして我々日本人には理解するのが難しいことがあります。

ドイツ人とビジネスする際に知っておきたい7つのこと

国際ビジネスの成功の秘訣は、いかにこちらの製品優位を保ちつつ、相手の制度や風土に合わせてローカライズしていくことができるか、と言われています。

ヨーロッパの中では比較的きっちりしているイメージのあるドイツ人ですが、ビジネスでは様々な文化的な違いがビジネスの成否に影響を及ぼします。以下、私がドイツ企業でビジネスした経験を踏まえて、ドイツ人と仕事をするさいに重要になる7つのポイントをまとめました。

要件は単刀直入に

ドイツ人に電話する場合、日本人のビジネスのように、プライベートの話題や、要件に関係ないことを持ち出すことはしません。多少付き合いのある既存顧客でも、端的に、ザクザクと、聞きたいことを聞き、会話は打ち切られます。

逆に、南欧とか、中東に電話する場合、本題と関係のないことを聞かれることが多いです。この前、トルコの顧客に電話した際は、ドイツは寒いのか、パーティはたくさんあるのか、飯は旨いのか、みたいなどうでも良いことを聞かれました。

とりあえずオフィスを褒めておく

時には、相手のオフィスを訪問することもあります。その場合、いくらドイツ人でも、着いた瞬間に「さあ、本題に入りましょう」とはなりません。ちょっとだけアイスブレイクの時間が設けられます。

ケースバイケースですが、会話の切り口として一般的に通用するのは、相手のオフィスを褒めておくことです。

新しければ「なんてモダンな!」、古く汚くても「歴史を感じますね!」とか、「駅から近いですね」とか、なんでもいいのでポジティブなことを言いましょう。褒めるところがなければ、その街自体を褒めても大丈夫です。逆に、向こうから聞かれることとしては、「道のり(オフィスまでの)はどうでしたか?」というような、当たり障りのないことです。

また、他の欧州ビジネス同様、天気の話題も会話の切り口として大丈夫です。その場合に限り、ネガティブなことでもいいです。流石に、大雨なのに「いやー、今日はいい天気ですね!」と言ったら、こいつは馬鹿なのか、と思われます。

多少押しても大丈夫

状況によりますが、ドイツ人にものを売る場合などは、多少強引にいっても大丈夫です。例えば、こちらから見積もりを出して、相手が「社で検討します」となっても、電話でその後の進捗を確認しましょう。これは、ビジネスだけでなく、ドイツで生きる上での鉄則ですが、押しが弱いと相手の中で忘れられていきます。

ちょいちょい無視される

ドイツ人は合理的ですので、あまり直接的な利益に関係のなさそうなメールなどは無視されます。3日以上、メールが放置されていたり、返信が無いようであれば、もう一度メールするか、電話するかして催促しましょう。別に失礼にはあたりません。

時間は守る

他の適当さ加減が漂う欧州諸国に比べ、ドイツ人は約束の時間にちゃんとやってくるので、同じく時間厳守の日本人としてはありがたいです。逆にいえば、こちらもある程度時間を守ることが要求されていますので、ちゃんと時間通りに訪れましょう。

突然長期休暇に入る

ドイツ人、そもそもヨーロッパ人全体の傾向ですが、繁忙期でも平気で2週間規模のバカンス(Urlaub)をとります。もし自分の担当のドイツ人などがいたら、あらかじめ、彼のスケジュールは把握しておき、彼が不在の場合誰とコンタクトをすればよいかを先に知っておきましょう。

バイヨン訛に要注意

歴史的に、ドイツはもともと数十か国の諸侯に分かれていて、プロイセンがそれを近代化のために統一した形です。ですので、地方によっては独自の文化や考えを持っているようなところも多く、第一次世界大戦末期には、それがもとで、各地で反乱が相次ぎ、バイヨンを基盤とするナチスの台頭を招く結果となりました。

さて、そうした独自色の強い地方の傾向は、言語にも影響してきます。Hochdeutscと呼ばれるドイツ語が、いわゆるスタンダードな(日本でいうところの標準語)ドイツ語なのですが、バイヨン地方などで話されている「バイヨン訛」などは、ドイツ人同士でも会話の理解に支障をきたすレベルです。

日本人同士でも、ときに相手が何を言っているのかわからないこともあるくらいですし(電話口などでは特に)、我々が理解できなくても、当然といえば当然です。もし、相手の言っていることが分からない場合、諦めて英語での会話に切り替えましょう。一番やってはいけないのが、分かってないのに分かったふりをしてしまうことです。

ドイツ人に、こちらが外国人だからと言って手加減を加えてゆっくりドイツ語を話してくれる、という期待をしてはいけません。