ドイツの大学院進学に必要なGPAと足りない時の対処法

日本の文系学部生は、就活の際にそこまでGPAに注意を払わないと思います。ところが、学歴を重んじるドイツ社会にあっては、大学、大学院時代の成績は将来を左右するような重要なファクターになってきます。

今回は、ドイツの大学院を受験するにあたって、学部時代のGPAがどこまで物をいうのか見ていきたいと思います。

[word_balloon id=”5″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ドイツの名門大学院を卒業した村上です。今回は、出願の際のGPAの計算方法、足りない場合どうすればよいかなど説明していきます。[/word_balloon]

GPAってなに?

そもそもGPAとはなんでしょうか?Grade Point Averageの略語で、日本では内申点、ドイツ語ではNotendurchschnittと呼ばれています。

もともとアメリカの成績算定を基準に作られたシステムで、大学の成績を0~4の5段階評価で算定し、3を超えれば優秀と呼ばれています。例えば、アメリカの一流大学院などに進学する場合、GPAのスコアが3.5を超えていないと入学が厳しいといわれています。

アメリカの制度ですので、国によって算定方法にバラツキがあります。例えば、アメリカでは4が最高点ですが、逆にドイツでは1が最高と、評価付けが逆になっています。

ただ、基本的に「大学時代の成績の平均値」というコンセプトに変わりはないので、算定方法が違う場合、国によってはその国独自の基準で算定しなおしたりします。

[word_balloon id=”5″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ここでは便宜上GPA換算で紹介していますが、実際にドイツで使用されるのは「ドイツ式」の成績です。つまり、GPAとは真逆で、1.0が一番高く、4.0が一番悪いという仕組みです[/word_balloon]

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]なので、GPA3.0はドイツ式成績の2.0と置き換えて読めば分かりやすいわ。ヨーロッパではこのドイツ式を採用して、1.0が一番高い成績なるような大学も少なくないの[/word_balloon]

ドイツの大学院に進学する際に必要になってくるGPAスコアは?

結論から言うと、大学院や、学部によって異なるので、何とも言えませんが、やはり、有名な大学の人気の高い学部を志望するとなると、3.0以上はあっておきたいところです。

私は、ドイツのビジネス系(経営学、商学系)の学部を受験しましたが、ざっと見た感じ、有名大は3.0以上、普通のところで2.5~2.7以上、それ以下のGPAとなると、足切りされる、という条件が多かったように思います。

例えば、一般的にビジネス系の学生が専攻するBWL学部の足切りGPAをいくつか拾ってみました。

中には、Fankfurt大学のように、特定の科目の成績を重視する大学院もあります。

ただ、私立大学や、専門大学になると、こうした選考条件が緩くなるところもあります。また、一般的にビジネス系の学部は人気が高い傾向にあり、人気の低い学部などでは、GPA不問といったような要綱も多く見受けられます。

また、医学部のように、通知表の成績オール5じゃないと入れないようなところも存在しますので、ケースバイケースと言えますが、あくまで一般論として3.0あれば安心です。

注意点として、ドイツの大学院の場合、大学学部時代の専攻とかけ離れた専攻を選ぶことはできない、という条件がありますので、GPAの緩さをもとめて、自分の専攻と離れた学部を選ぶことはできません。

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[word_balloon id=”5″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]これはあくまで足切りのラインなので、この成績を満たしたからといって合格できるとは限りません(満たしていれば全員合格にする大学もありますが)[/word_balloon]

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]GPA以外にも、応募の際のインタビュー、教授からの推薦状、職歴などがファクターになることもあって、一概にGPAだけで決まるとは言えないわ。[/word_balloon]

GPAが足りないと、ドイツの大学院は受験できないの?

さて、ここで疑問になってくるのが「学部時代のGPAの成績が悪すぎると、ドイツの大学院に進学できないの?」ということです。

実際に、日本では就活でもGPAがそこまで重要視されていませんので、ついつい学部時代に勉強をおざなりにしてしまった人は少なくないことでしょう。

実際に、GPAが足りなくても、いくつか救済措置があります。

独自の算定方法

卒業した学部が、公式にGPAを明示していなければ、チャンスがあります。その場合、ドイツの大学は独自のテーブルを用いて、算定をし直しますので、算定の結果次第では、GPAが劇的に跳ね上がることもあるのです。

科目ごとの偏重

上述のFrankfurt大学のように、特定の科目を重視して加点してくれるような大学もあります。また、大学の「上位10%」の成績であることを証明できれば、足切りを免れる、というような措置もとられていますので、どうしても足切りに満たない場合は、一度このような特殊な条件を洗いなおしてみましょう。

[word_balloon id=”5″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]多くのドイツの大学院が「独自の算定方式」をとっているので、自分でGPAに計算してみて足りないからと言ってあきらめなくても大丈夫なことがあります。[/word_balloon]

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]日本と違って、割と大学ごとによってケースバイケースのパターンが多く、教授や学生課に直接相談したら、割となんとかなる場合もあるわ。[/word_balloon]