自己紹介でも触れましたが自分は日本の大学を中退、ずっとフリーターとニートを行き来していた人間なので日本で就活や社会人経験は一切ありませんでした。
そんな日本の常識も知らずいきなりチェコで仕事探し、現在はプラハのフランス企業でサラリーマン生活と、端から見るとデタラメな人生を歩んでいますが、折角なのでそんな元高卒フリーターの経験を低いレベルからお話ししたいと思います。

時は大学最終学期から始まる
チェコの大学は他のEU加盟国と同じく3年間のプログラムで、日本における就活や新卒、みんな一斉に入社などは全くありません。仕事を見つけるも見つけないも、いつから働くのかも全て自分で動かないといけません。
僕のフリーターの経歴を見てもらえれば分かるように、自分は前もって将来に向けてしっかりと予定を組んで準備していくのは苦手でした。
大学の最終学期は卒論と卒業試験に追われ、この二つが終わるまで就活などする余裕は一切無かったです。

友達が仕事を紹介
卒論に取り組んでいた時、息抜きを兼ねて金曜のオリンピアでの日本人の集まりに行きました。
久しぶりに何人かの人と話をしていた時、友達の日本人が「転職するんだけど、井上君仕事探してない?フランスの会社で働いてるんだけど、仕事探してたら自分転職してポジション空くから応募してみたら?紹介するよ。」と声をかけられました。
その時はあまり深く考えず「適当に考えてみます。」程度で話していました。
今年の5月、卒論を何とか提出した後日その友達から改めて連絡が来たのでお茶をしつつ仕事の件を改めて教えてくれたので、物は試しということでこのフランスの会社に応募してみたのが始まりでした。


いざ面接へ
図書館で卒業試験の準備をしていた時、自分の携帯から見慣れない番号から着信があったので出てみると、申し込んだ会社から面接をしたいと連絡がありました。
初めての面接だったので準備期間を設ける為に面接の予定を一週間後にしてもらいました。実際就活や面接となると色々緊張していました。
日本でどちらの経験が無かったので日本人の友達にアドバイスをもらったりインターネットで面接について調べつつ準備をしました。
面接の服装ですが、実は就活用のフォーマルな服装を持ってなかったのでとりあえずH&Mで適当に一番安いシャツを一枚買い、これにチノパンと黒の靴で行きました。
日本と違い金融関係等を除けば面接でスーツを着る必要は無く、少し綺麗な格好しておけばオッケーということだったのでこれで済ませました。


一次面接
そして面接当日、面接予定時間の30分ぐらい前に行ったら会社のスタッフから「もう来たの⁉️」と驚かれました。
日本の感覚で遅れないようにと思って行ったら、こっちの人にとって30分前は早過ぎるんだと気づかされました。
面接官は人事とマネージャークラスから一人ずつの計二人。
面接時間はだいたい40分程で、聞かれた質問はこんな感じでした。
- 自己紹介
- なぜヨーロッパに来たか
- 大学で勉強したこと
- 日本での仕事の経験
- 日本に帰るつもりはあるか、ヨーロッパにどれぐらいいる予定か
- 面接を受けている会社の業務内容
- 自分の長所と短所について
- いつから働けるか

一次面接の感想
質問の内容はおおよそ日本で聞かれるようなものと一緒なのかなというのが第一印象でした。
面接のポイントはこの記事でまとめられているのと概ね一致します。
友達と面接の練習をしたり会社のホームページを見ていたので準備はある程度できたのは良かった点でした。
向こうも私が今回初めての仕事になるということをCVから理解していたので、あまり職歴については突っ込んだ質問はありませんでした。
逆に悪かった点は、たまに質問の意図を勘違いし、ポイントのずれた答えをしてしまったところです。
その際は向こうから「私が聞きたかったのは〜や、そうじゃなくて〜」という数回言われたのでこれは私のミスでした。

二次面接へ
自分の中では5、6割ぐらいのできかなと微妙な気持ちでいたところ、数日後には人事からメールが来て、一次面接は見事合格との通知をうけました。次はCEOとの二次面接を一週間後にやることになりました。
二次面接も同じ服装で今度は前回の反応を踏まえ、10分前に会社に行きました。
二次面接では約30分程で、CEOとCOOの二人とです。
面接で受けた質問はこちら。
- 自己紹介
- 面接を受けている会社の業務内容
- 日本での職歴
- 仕事は忙しくマルチタスクとクライアントへの電話が要求される。積極的な電話応対は可能か
- ストレスをどう解消するか
- ストレスを感じる時にパフォーマンスに影響が出るか
- 座右の銘
- 会社が私を雇うメリット
二次面接の感想
この会社ではCEOは漠然とした質問が多く、逆にCOOからは非常に的をついたプラクティカルな質問を受けました。
二次面接では一次面接より若干短かったあたり、自分の能力を計るというよりは、真面目に働く気があるのかという意思確認だった印象でした。
一次面接と同じ質問も幾つかありましたが、それはほとんど掘り下げず次の質問に移ることが
多かったです。
一次面接よりは的外れな答えは減らせたので前回よりは良かったと感じましたが、もし他の人と一緒に集団面接のような形だったら比較されてしまいそんなに良くなかっただろうなというのが正直な感想です。
自分としては60点ぐらいでしょうか、自分を雇うメリットなども「真面目に働く、遅刻しない、協調性がある。」等インパクトの弱い返事しかできなかったかなと反省点もありました。


結果
今回は面接後その場で合格をいただき、そのまま従業員を紹介という形で無事に終わりました。
私が受かった理由は恐らく4点です。
- 前任の日本人からの紹介であったので、印象が最初からプラスであった
- 向こうが探している人材に近かった
- 自分も卒業試験が終わるまでパートタイムを希望しており、最初の研修期間を安い人件費で抑えられ、フルタイムでも高い給料を必要としなかった
- チェコの大学を卒業し、労働許可がすでにあった
正直これが大きいと思います。
向こうは最低限日本語と英語を使える人材を探しており、条件を満たしていました。
この記事でも触れていますが、私は日本人では数少ないチェコの大学卒業生(当時は見込み)だったので労働許可が要らず、会社としては私を雇うのは簡単で更にパートタイム待遇で研修および能力の査定ができたのはお互い都合が良かったのです。
もう少し言うと自分が面接に受かったのは自分に能力があったからでは無く、上記の理由によりむしろ運が良かったです。
私にとっても今回はいい経験になり、ヨーロッパでどう面接を受け、ヨーロッパ人と一緒に働いていくのかと様々な学ぶ機会があったので、自分の経験のためにもあれこれ要求はせず基本的に会社の提示した待遇で働くことを決めました。


これがチェコでの就労の第一歩です。後、逆に聞かれなかった質問は、
- 年齢
- なぜ今更ヨーロッパに来たか
- なぜ日本で働かなかったか
- 日本でいう職歴の空白期間について
最初の点はヨーロッパでは就労に関し、年齢、性別、人種、宗教による差別を禁止しており、向こうも聞けなかったという事情があります。
2〜4点目は恐らく日本での面接と重視することが違うからではないかと思います。
ヨーロッパでは即戦力、使える人材が欲しいので、極端に言ってしまうと日本みたいな忠誠心や経歴的な綺麗さの様なものは重視されないと感じました。
ヨーロッパで仕事を探す人の参考になればと思います。
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