海外留学を考えている人にとって学期の進み方は気になるところです。
今回は勉強に絞ってチェコの大学では1学期がどうやって進んでいくのか流れを説明したいと思います。
またチェコの大学と日本との大学との比較している記事や、チェコの国立、私立大学の違いについての記事でも触れていますのでよければ合わせて読んでみてください。
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チェコで留学生活:学期初めから講義、課題、試験まで
私は私立の文系だったのでそれを基準にお伝えしますが、カレル大学など国立大学も基本は同じになります。
ちなみに成績評価制度はチェコ全体で基本統一されており、1〜4の4段階評価になっています。
1が一番よくexcellent、2はvery goodで3がgoodとなり合格、4は不合格になっています。
とは言えやはり大学ごとにセメスターが始まる日だったり、講義(何週間講義があるか)や試験期間などは多少前後したり違いがありますので、細かい点は各大学のウェブサイトで確認してください。
学期のスケジュール
チェコでは秋・冬学期は10月半ばから12月のクリスマス前まで講義があり、そこから1月上旬までクリスマス休暇(冬休み)に入り休みの後一部講義があったり、休暇後直ぐに試験期間に入ります。
春・夏学期は2月頃から始まり5月頃まで講義があり6月辺りから試験期間に入ります。
大学によっては試験期間前に準備期間という形で短い休みを設けたりもします。
夏休みは試験が終わってから(早い人では6月初めや中旬から)10月までなので人によってはかなり長い時間休みになります。
確認したところMetropolitan University Prague(以下MUP)では1学期は12〜13週間の講義がありその後直ぐに試験期間になります。
カレル大学も確認したところMUPと同じように13週間でしたが、University of New York in Prague(以下UNYP)は15週間の講義になります。
試験期間
試験期間は大体4週間で各科目で教授が4試験日設定し、学生はその内自由に3回まで試験を受けることができます。
多くの教授が各週同じ曜日の同じ時間に設定していました(例えば毎週月曜日の朝10時から)。
いつ試験を受けるかは学生が自由に選べるのでいつから夏休みに入るかはバラバラになります。
また秋・冬学期も試験を早く終わらせてしまえば、次の春・夏学期が始まるまでに3~4週間の休みができたりします。
たださっきあげたUNYPはアメリカ系の大学で、システムが他とは違いこの形ではありません。
学期初め
もしあなたがチェコの大学に正規の学生として入った場合はあまり丁寧なオリエンテーションはありません。
MUPでは学期の第1週はその科目の説明なのでほとんど授業は行われず出席も確認されることはほぼありません。
ちなみに交換留学生は各学期が始まる1週間前ごろから集まり、オリエンテーションとたくさんのアクティビティがあります。
これにより交換留学生は学期が始まる前から友達が作れますのでスムーズに大学生活を始められます。
講義・課題
これはもう大学や教授によりけりです。
出席も取らず試験一発勝負の場合もあれば、課題、中間試験、最終試験全部合わせて成績をつける場合もあります。
私の経験上試験一発勝負は多くなく、多くの教授は課題(又は中間試験)+最終試験でした。
大体の流れとしては各科目ごとに毎週課題の読み物があり、講義ごとに準備をしていきます。
教授によっては講義の中で読み物の課題についてディスカッションしたり学生に発言させたりします。
この部分は教授に対して自分が準備しているか、講義に積極的に参加しているかという印象を与えますが直接成績にはあまり結びつきません。
これとは別に成績に直接結びつくエッセイやプレゼンテーションなどがあったりします。
これは大学やクラスの規模、また学部によっても変わってくるのであったりなかったり、グループワークだったり個人だったりと様々です。
エッセイ・プレゼンテーション
折角なのでこのエッセイ・プレゼンについて少し書きたいと思います。
英語など外国語で初めて勉強する場合この二つは不安要素になると思います。
私の経験ではエッセイは1,500語から3,000語程度が多くエッセイのフォーマットもAPAスタイルなど指定があったりします。
エッセイの場合は語数など要件を最低限クリアしていれば内容があまりよくなくてもゼロ評価をもらうことはないでしょう。
しかしエッセイは英語力に加えエッセイの構成など色々な面から評価されるので満点を取ることはかなり難しいです。
プレゼンは人前で英語を話したり質疑応答の部分もあり慣れるまでプレッシャーはかなりありますが、その反面どんなに内容が悪くてもやりさえすれば最低限の成績はもらえますので、単位を取る上では悪いものではありません。
この課題に費やす時間としてはエッセイの方が長く数週間から1ヶ月、プレゼンは大体1週間で済ませてしまうことが多かったです。
教科書
チェコの大学では各大学の学生専用ウェブサイトに教授が使ったパワーポイントのスライドやマテリアル、課題の読み物などをアップロードしてくれますので教科書はほとんど買いません。
実際私は3年間の大学生活で教科書は一冊しか買いませんでした。
この点は学生の負担にならないので非常にありがたかったです。
忙しさ
講義は月曜から木曜に集中しており、多くの学生は週4講義の金曜から休みのパターンになります。
チェコでは自習に重きを置かれているので講義自体はそこまで多くありません。
科目によって毎週読まなければいけない量は変わりますので一概には言えませんが、それでも全部まとめるとかなり大変です。
正直全ての科目を毎週準備するのは難しいと感じました。
私も最初の一学期目はどのように勉強、準備すればいいか手探りの状態で苦しみ、毎日3時ぐらいまで起きて必死に勉強していました。
大学生活に慣れていくにつれ、どの科目を優先的に勉強しなければいけないか、ある科目はクラスメイトと協力して読み物のタスクを分けたりなど勉強の仕方を学んでいきます。
ちなみに交換留学生の場合は正規の学生より取る科目数が少なかったりするので忙しさに差が出てきたりします。
最終試験
多くの科目でこの部分が最終成績の半分以上を占めています。
90分の試験もあれば3時間の試験だったりと様々ですが、MUPでは多くの科目で90分ノートなどの持ち込みは禁止でした。
しかし飲み物の持ち込みは認められています。
試験は終わった人から提出して試験の部屋を退出していくので、早く終わる人もちらほらいます。
試験問題ですが選択問題も一部ありましたが多くは記述問題でした。
よくあったパターンは、オープンクエスチョンが複数あり、そこから自分が選んでショートエッセイを書いていく場合です。
試験問題は授業のスライドから一部、多くは課題の毎週の読み物から出題されることが多く、毎週の講義の準備がここで大きく影響していきます。
単位を取るコツ
最後に私なりの大学生活を生き延びるコツを簡単にお伝えしたいと思います。
一番目に一番大事なポイントとして友達を作ることです。
グループエッセイ、グループでのプレゼンがある場合は知らない人とやるより友達同士で行う方がスムーズにできます。
そして読み物の課題はできるだけ友達とタスクを分けて読んでいく。
試験などは友達があなたより先に受けた場合は試験問題を教えてもらう、逆にあなたが友達より先に試験を受けた場合は試験問題をできるだけ覚えておく。
二番目はgoogle docの活用です。
私は講義は全てノートパソコンを持ち込みgoogle doc上で作っていました。
Google docの利点は毎回自動でセーブされ複数のアカウントから同時に書き込め、ノートの共有も非常に簡単にできることです。
これにより週ごとや課題ごとに一つのノートに友達と一緒に作ったりできます。
三番目は試験をできるだけ早い週から受けることです。
教授によっては試験問題をあまり変えない人もいるので一度受けておいて、科目ごとの試験の傾向を把握し、合格できる自信がない科目はできるだけ問題を覚えておき次回受ける時に対策ができるようにすることです。
最終試験は3回まで受けられますが、もしあなたが試験をぎりぎりまで受けない場合は1回しか受けられなくなってしまうのでお勧めできません。
それよりは準備が多少不十分でもとにかく早い段階で試験を受ける方がいいでしょう。
海外で勉強するのは最初はどうしても不安があると思います。
ぜひ友達を作って準備していってください。