卒業まで300万円:ドイツ大学院留学に必要な費用はどれくらい?

海外留学を志すとき、避けて通れないのが生活費との戦いです。留学のために海外にきたにも関わらず、その問題に拘泥してしまい、勉強に身が入らない、というケースもあります。

そういった事態を避けるため、この記事では、ドイツの大学、大学院進学に必要になってくる費用をまとめていきたいと思います。

ドイツの大学進学に必要な経費

後から内訳を紹介しますが、端的にいえば「月10万円」をベースに計算しておくと分かりやすいです。この10万円とは、ドイツでの一ヶ月の生活費のことで、学費は含まれていません。なぜなら、学費は月4000円程度で、ほぼ無視できるレベルだからです。

卒業までに2年を要する大学院であれば240万円、3年を要する大学であれば360万円、最低でも生活費として、用意しておいたほうが良いでしょう。

  • 学費       :年500€程度
  • 家賃       :月300~400€
  • 食費       :月300€程度
  • その他(保険料等) :月150~200€

私立の大学、大学院に通う場合、学費は日本の大学同様、100万円、200万円規模になってきますが、公立に通うかぎりでは、学費はただ同然なのが有難いです。

以下、それぞれの費用のうちわけをみていきたいと思います。

住まいに関わる費用

まず、生活の中で大きなウエイトを占めてくる、衣食住のうち「住」の費用についてみていきたいと思います。

家賃(月:250~400€)

難民の流入、他国の留学生などの理由で、現状、ドイツの住宅は需要多寡に陥っています。住居を見つけることが容易でないのはもちろん、家賃の面でも値上がりが続いています。

私はドイツに来てから何度か引っ越しをしていますが、300€以下の住居を見つけるのは、なかなか難しいです(見つけられればラッキー)。大学の学生寮などを借りられれば、250€くらいで済む場合もありますが、基本的に300€前後、ベルリンやFrankfurtなどの大都市の場合、400€くらいになるケースもあることを想定しておきましょう。

光熱費

基本的に、光熱費、水道代などは、家賃に含まれている場合がほとんどです。含まれていない場合、Nebenkostといって、家賃とは別途請求されてくることがあります。

引っ越し、家具代

これらは、入居時に発生するもので、コンスタントに毎月発生するものではありませんが、念のためドイツの住居の中には「家具付」と「家具無」の部屋があることを覚えておきましょう。

「家具無」を選択した場合、ベッドから机まで、全部自分で購入しなくてはいけません。その際には、500~1000€くらいを見積もっておく必要があります。

ちなみに、ドイツの引っ越しは、業者に頼らず、友人などの力を借りて、終わったらピザなどを奢ってやるのが習慣です。

放送料(月:20€)

地味に痛いのが、毎月発生する通信使用料(日本のNHK受信料のようなもの)です。ドイツには、この請求は不当なので、支払いを無視しよう、なんていうラディカルな動きもありますが、支払いを無視し続けると、法的に罰せられることもあるそうです。

フラットシェアリングなどの形態であれば、他の住人と使用料を割り勘できますが、一人部屋などを借りてしまった場合、毎月20ユーロ程、徴収されていくことを覚えておきましょう。

食べもの関する費用

続いて、衣食住の「食」です。この費用に関してはばらつきがあると思いますが、月300€を見積もっておけば、一般的な生活水準が保てます。

自炊

極論を言えば、玉ねぎやジャガイモなど、ドイツでとれる根菜類を食べ続ければ、毎月1万円程度におさえられることができます。他にも、パン、ひき肉、ソーセージなど、ドイツにゆかりのある食品は安く、魚や一部の果物などは値が張ります。

ただ、日本とそこまで劇的に違う、というわけでもなく、普通に自炊した場合、私の場合、月の食費は200~300€くらいです。

ただし、日本の料理を自炊したい場合、調味料関係(ミリン、料理酒、ダシなど)は日本の2~3倍の値段がすると思ってください。

外食

日本と大きく異なるのが、外食をしたときの値段です。日本であれば、牛丼、蕎麦、チェーンの寿司屋など、安く食費を抑えられる選択肢が多く用意されていますが、ドイツの場合、唯一ケバブが安いくらいで、中華料理屋の安い料理でも5€(650円程度)、普通にドイツのレストランにいくと昼食代だけで10~15€(1300~1800円程度)とられます。

そのため、学生で月々の生活費を極力安く抑えたい場合、この外食費用をいかに削れるかがカギになってきます。

また、例外として、大学の学食であれば、学割が利くため、毎食3~4€程度で済ませることが可能です。

飲み会、交際費

ついでに、友人との交際費もまとめておきます。日本と大きく違うのが、「ビールを飲みに行く」という場合、想定されるのは「夕飯を食ってから集合」です。ですので、日本の居酒屋のように、おつまみ+ビール代で4000~5000円くらいかかるわけではなく、ビール代だけで安く済みます。

ドイツのビールは水のように安いので(比喩ではなく、水より安い)、飲み会と称してビールだけ飲んでいれば、そこまで飲み会代が高くつくことはありません。

その他

健康保険料

上述の費用以外で、コンスタントに月々請求されるのが、健康保険料です。ドイツの大学に通学する場合、有無を言わさず法的健康保険への加入が義務付けられており、これは月々80€程度、年齢によっては150€程度請求されます。

この健康保険は、海外旅行保険や、日本のその他保険類ではカバーできないため、注意しなくてはいけません。

ビザ代

ビザを更新するたびに、手数料として100€程度とられます。私は、なんだかんだで、ドイツに来てから3回ほどビザを延長しているので、そのたびに100€とられていきます。

学費

最後に、ドイツの公立大学に通う場合、年間500€くらいの費用が発生します。ただ、そうすることで、学割の恩恵を受けられるようになるので、実際にはプラスマイナス差し引きゼロのようなものです。