【体験談】自由な街ベルリンのゲイバーで、ドイツ人男性やドラッククィーンからも求愛された話

タケルです。

今回はドイツでの大学在中時に休暇で訪れたベルリンでの経験談をお伝えしていきたいと思います。

何故私が日本での社畜生活を辞め、ドイツの大学に入学したかについては前回の投稿をご覧下さい。

実録、ベルリンでのナイトライフ!

実はベルリンのことについて何も知らなかったし興味もなかった

何故ドイツを選んだのは前回の投稿にも書きましたが、ドイツに強い気持ちがあったからという訳ではなかったので、正直ドイツに来るまではベルリンに対して何の知識も興味も持っていませんでした。

こっちの大学で知り合った友人のPeter(ハンガリー人)もまだベルリンに行ったことがなく、周りの友人からも一度行ってみた方がいいと言われていたので、一緒に週末旅行の計画を立てていました。

やっぱり持つべきものは現地に詳しい友人

そうはいうものの、二人ともどちらかと言ったら周りから背中を押される形でベルリンに行こうとなったので行きたい明確な理由もなく、勉強にも追われていたので計画をスムーズに立てられずにいました。

そしたらPeterの友人に、丁度その時ベルリンの職業訓練校(Ausbildung)に通っている子がいたので連絡を取ってもらい、簡単なベルリン の紹介と面白そうな所に連れて行ってもらえるようにお願いしました。

ベルリンだけ気温が低い?

Peterの友人と連絡を取れてからは割とスムーズに話が進み、二人で夜行バスに乗ってベルリンに向かいました。

ベルリンに着いたのは朝だったのですが、初夏とは思えないくらい冷え込んでいて、すごく困りました。幸い薄いトレーナーを持ってきていたのでそれを着て何とか持ち堪えました。

ドイツあるあるかもしれませんが、場所や街によっては天候が他と違いますし、体感温度も変わってきます。(特に朝夜は昼との気温の差が結構あったりします。)

二人で凍えながら、Peterの友人宅へ朝食を食べに向かいました。

ドイツにあるけどドイツっぽくない街、ベルリン

ingeborgkraka / Pixabay

Peterの友人はLucieと言う女性でフランスとイギリスのハーフでした。どこで知り合ったのか聞くと、出会いはネットとのこと。同じオンラインコミュニティーで意気投合し、個別でやり取りする内に偶然お互いがドイツで生活することになったらしいです。

Lucieが作ってくれた、と言うか出してくれたのはクロワッサン。流石フランス人の朝食といった感じで食べてすぐに街を観光しに出かけました。

Lucieはベルリンの街を紹介し慣れているのか、ベルリンの壁やチェックポイント・チャーリー、ブランデンブルグ門、テレビ塔などテンポ良く案内してくれました。

観光中、さっとベルリン の街を観察してみたのですが、独特なカフェやポップアップストアなどおしゃれなお店が多くあるなと感じました。

実際、カフェやポップアップストアなど、お洒落なお店が多くありました。

自由な街、ベルリン

PeterDargatz / Pixabay

お店だけでなく、街中で見かける人のファッションもオシャレで他のドイツの街とは違う印象を受けました。(ドイツ人はファッションに疎いイメージがあったので 笑)

また、明らかに歳の離れているカップルや、女性同士が手を繋いで歩いていたり、男性同士が腕を組んで歩いていたりと、一つの形に囚われない自由な空気を感じました。

その自由な雰囲気に一気に魅了されている自分がいました。

なぜか日本のホラー映画を見ることに

夕方になるとLucieの友人達も合流し、6人くらいのグループになりました。

折角ベルリンに来たのだからとカリブルストで有名なBraufactuM am Hausvogteiplatzというレストランに連れて行ってもらいました。

引用:BraufactuM am Hausvogteiplatz

ここの独特なスパイスソースのソーセージにビールの相性が抜群で、空き腹には格別の味でした。

Lucieの友人達は国際色が豊かで、色んな言葉で会話が飛び交いました。

私も珍しくお酒が進み、好きな音楽の話やLucieの友人達の仕事の話、大学の話や日本の話など
自ら会話の中に入って行き、沢山喋った記憶があります。(ここら辺から少し酔っています。)

2時間ほど経った後、Lucieの友人の一人が近くで日本のホラー映画が見られる場所があるから皆で見にいこうと誘ってきました。

全員酔っ払っていたし、日本の映画を見てみたいと言っていたので、その友人に連れられて、とある場所に移動しました。

映画館ではなくゲイバー

何やら人が集まっている建物があり、ここだと言われました。入口付近にはマリファナを吸っている外国人がたむろしており、あまり良い印象は受けませんでしたが、中に入ってみると割と小洒落た雰囲気のバーでした。

お酒を飲もうと言われてバーカウンターで酒を頼みにいったら派手な格好のアジア人男性がお酒を販売していて、そこで初めてゲイバーに来たことを悟りました。

PeterやLucie達を見るとどうやら分かっていたようで、私の困惑している姿を見て笑っていました。しかし生まれて初めてのゲイバーが海外だなんて。

執拗に絡んでくる男性客。目的は私?

困惑しながらお酒を飲んで、ソファーに座っていると、やけに絡んでくる男性がいました。

贅肉が身体中にたっぷり乗ったFelixという名の男性はドイツ人らしく、ドイツ語で私に話しかけてきていました。

執拗に住んでいる場所(泊まっている場所)や自分の筋肉の話をしてきて、しきりに私の容姿
を褒めてきました。

「すごく君はいい顔をしているね。日本人はどうしてそんなに可愛いんだろう。そして身長が高いじゃないか。君とは仲良くなれそうな気がする。近くにいいバーがあるから、そこに行って話さないか?」

あー、完全にロックオンされた。

人間はこういう時本能としてインプットされる危機回避能力が発揮するのか、私は既に危険が目の前に来ていることを悟りました。

助けを求めてPeterとLucieを見るとクスクス笑っていました。(アイツら絶対許さない。)

仕方なく丁寧に何度も

『ありがとう。だけど仲間もいるし、今日は彼らと楽しむから。』

と断り続けていたら、腹を立てたのか無理やり私の腕を掴んで店から引きずり出そうとしてきました。

流石に危険を察してくれたのか、PeterとLucieがすぐに間に入って私の腕から彼の手を引き剥がし、詰めてくれました。

「何だよお前ら!俺はただこいつが詰まらない顔をしていたから面白い所紹介しようとしただけじゃねぇか!」

そうやってFelixは怒ってバーから出ていきました。

最後まで非を認めないのは如何にもドイツ人らしい 笑

展開の読めない恐怖

そうこうしているうちに室内が暗くなり、入口付近にあったスクリーンに映像が映し出されました。

日本のホラー映画はそこまで詳しくないのですが、恐らくリングや螺旋が流行った時に出た映画のどれかでしょう。

映像が1990年代の感じに見受けられました。

バーのあたりで飲んでいた客が全員スクリーンの前に座り始め、酒を飲みつつ静かに映像を見ていました。

ちょうどスクリーン前が空いていたのでそこにPeterとLucieと一緒に座りました。

ストーリーが段々と進んでいき、おそらく主人公である人物の家の中で、突然電気が消えたり、テレビが勝手についたりと、不審な現象が起き始めました。

LucieやPeterが次は何が起こるのか興味津々で私にストーリーの続きを知っているか聞いてきました。

しかし、どの映画かもわからないしストーリーも分からないので、静かに見入るしか選択肢がなく、徐々に映画に引きずり込まれていきました。

入口の外から僅かに聞こえる会話声も、段々と遠のいていきました。

揺れる画面。

主人公の部屋の電気が消える。

懐中電灯をつけ、あたりを照らす主人公。

主人公の目が一点を見つめる。

汗が吹き出し、恐怖で顔が引き攣り、腰を抜かす。

画面が変わった瞬間、「ギャー!」と主人公の叫び声が聞こえる。

その瞬間、映像が消え、スクリーンが一瞬のうちに上がると、裏からものすごく身体の大きいドラァグクイーンが出てきました。

映像に見入っていたのと最前列に座っていたので、衝撃に思わず私も『ギャー!』と叫んでいました。

踊るドラァグクイーン

ものすごい目で見られている。

急にリングのテーマ曲が流れ、それに合わせて踊るドラァグクイーン。

視線はぶれることなく私だけを見つめている。

首が座っているというか、腕と足はすごく動いているのに顔と首だけはブレないで真正面を向いている。

時たまこちらに襲いかかる仕草をする度、ビクビクしてしまった私は格好の餌食だったのだろうか、5分間くらいのダンスの間中、ずっと狙われていました。

終わりの見えないダンスでしたが、部屋が明るくなったタイミングで曲も切れ、ドラァグクイーンのお辞儀とともに拍手が起こり、その後は客から金を貰おうとツボを抱えて端から端まで回っていました。

一番に私が目をつけられたので、5€渡したのですが、足りないと言われ、10€出したらホッペに強引にキスをされそうになったので、丁寧に断って慌てて入口の外に飛び出しました。

Peterからはこの後大学卒業するまで、この夜の件をネタにされました。笑

散々でしたが、新たな世界を少し垣間見ることが出来た夜でした。