就活のハイライトと呼べるのが企業面接です。ある意味、この1時間の応答で、自分の将来が決まるといっても過言ではありません。
日本で就活する場合の面接対策はたくさん本も出ていますし、OB訪問などを通じて何となくイメージがつかめると思いますが、ドイツで日本人が就活、となるとそう簡単には情報収集ができません。
今回は、ドイツ企業から2社、ドイツにある日系企業から4社、内定を勝ち取った自分の経験をもとに、面接の傾向と対策をまとめていきます。
ドイツで面接
面接までこぎつける、ということは、企業側もかなりあなたに興味を持っている、ということです。特に、ドイツの場合企業が交通費まで支給するので、向こうも冷やかしに呼ぶことはありません。
裏を返せば、多少アピールポイントが足りなくても、面接の結果いかんではいくらでも内定を勝ち取るチャンスがある、ということです。ちなみに、私は面接までこぎつけた会社は8割以上合格しました。
ドイツ企業vs日系企業
ちなみに、ドイツにある企業、といっても、面接で聞かれる内容や慣習などが、日系企業とドイツ系企業とで大きく異なります。
そのため、簡易化するために、現地に支店を構える日系企業での面接と、ドイツ企業の面接とで面接の傾向を分別しました。他にも、アメリカ系、イギリス系企業もありますが、基本これらはドイツの支店でドイツ人のHRマネージャーを持っているので、聞かれることはドイツ企業とあまり変わりません。
ドイツ企業(欧米系企業)で聞かれること
ドイツ企業で面接をする際に聞かれることは、以下のような実践的な内容です。
- 自己紹介
- 大学(大学院)の専攻と成績
- 前職の成果、経験、どのようにその成果を達成したか
- 今回の仕事でどのようなプランを立てるか
- どのくらいドイツにいるつもりか、将来のプランは
- 英語、ドイツ語はどのくらい得意か
- うちの企業について知っていることを教えて
特に、トリッキーなのは、今回のポジションでどのように成果を出せそうか、あるいはどのようなプランを立てるか、みたいな超実践的な質問です。
応募後、HRの目にとまると、面接に来てほしいといって電話がかかってきます。面接に要される交通費は向こうから支給されます。その後、面接は2~3回行われ、最終面接はほぼ意思確認のような形でした。
応募してから全ての面接をこなし、オファーが来るまでかかった期間は1ヶ月くらいです。最終面接までいくと、向こうもほぼオファーを出す気でいて、場合によっては契約書も用意されています。他の企業も並行して受けていて、もうちょっと時間を稼ぎたい場合、「契約書を持ち帰って、全部確認し、4~5日後にオファーを受けるかどうかの返事をする」と言えば最大で1週間くらいは待ってくれます。
日系企業(在独)で聞かれること
日系企業も、規模によりけりですが、基本的に以下のような質問がなされます。個人的な感覚では、エージェントを通すと、日本人パイプを使って日本人のマネージャーが出てきますが、現地人枠として応募すると、日本人の目に留まらず、ドイツ人のHRに面接されます。
- 自己紹介
- 前職の成果、経験、どのようにその成果を達成したか
- どのくらいドイツにいるつもりか、将来のプランは
- 英語、ドイツ語はどのくらい得意か
- うちの企業について知っていることを教えて
- 性格的な部分(趣味など)
などが聞かれる内容で、事務手続き的な部分は大抵ドイツ人HRが行います。面接官がドイツ人の場合、聞かれる内容はドイツ企業と似たような内容になりますが、一定のポジション以上への応募ですと、大抵日本人マネージャーが同席します。
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ドイツ系、日系企業面接比較:まとめ
さて、ドイツ系と日系の面接を受けていくつかの部分で違いがはっきりしていたので、表にまとめてみました。基本的に、ドイツにあっても、日系企業で面接を受ける場合、日本の面接文化が根強く反映されている、ということです。つまり、日系企業で面接を受ける場合、日本での面接を想定していけばそこまで大外れしません。
交通費
まず、日系企業とドイツ系企業で違うのが、面接に要した交通費が帰ってくるか来ないか、です。ドイツ系の場合、ほぼ100%帰ってきます。日系の場合、微妙なところで、帰ってくる場合と出ない場合があり、転職エージェントなどを通すと、帰ってくる場合もあります。また、人事部がドイツ人などですと帰ってきますが、日本人が採用担当までしていると、そういう事情が勘案されず、交通費は帰ってきません。
面接時間
これは、ドイツ系も日系も大体1~2時間くらいで、最大で私は2時間の面接をしたことがあります。このときは、大学院の研究成果を発表して⇒たまたまパソコンがあったので自分の研究成果について発表⇒盛り上がる、みたいな雰囲気で、2時間くらいかかりました。ただ、通常、1時間くらいです。
面接の言語
ドイツの企業で、公用語がドイツ語なら基本的に面接もドイツ語です。
日系企業の場合、ちょっと特殊で、日本人のマネージャーと話すときは日本語ですが、日本人のマネージャー+ドイツ人の人事部が同席しているときなどはみんなが理解できるように英語、ドイツ人が面接担当ならドイツ語、みたいな感じです。
プライベートな質問
ドイツの企業ではあまりされません。まあ、されても「将来ドイツにずっといるの?」「なんで日本に帰らないの?」とか、将来のキャリアに関係あるような項目です。「ドイツ人のパートナーがいて、彼女/彼のキャリアを尊重すると、日本よりもこっちで暮らすほうがいい」というと(私はパートナーがいようがいまいが言っていますが)大体それ以上は突っ込まれずに納得してくれます。
日系企業は、日本で就活をされた方はご存知かと思いますが、そりゃあちょいちょいプライベートな質問を挟んできます。趣味などは、大体どこの企業からも聞かれました。日系企業の場合、性格的な部分も重要視するので、恐らくここでその辺の性格面を、ちょっと遠回しに探るのでしょう。
服装
日系企業の場合、服装はスーツ一択ですが、ドイツ企業の場合、金融関連でもない限り、コテコテのスーツでいくと若干浮きます。ただ、さすがにジーンズ+スニーカーなどはあまりいただけないので、一応「それらしい」格好(ワイシャツなど)をするのが理想です。ネクタイは無くても大丈夫です。
大学の成績
ドイツ企業の場合、面接で100%突っ込まれます。例外なく突っ込まれます。とくに大学院に通っていた場合、院の専攻、成績、卒論のテーマなどがっつり突っ込まれるので必ずこたえられるように準備しましょう。
日系企業の場合、全く突っ込まれませんでした。大学院で何したの、とは聞かれましたが、成績については触れられませんでした。ただ、ドイツ人が面接担当の場合は聞かれることもあります。
出された飲み物
日本では、就活本でも書かれているように、向こうからどうぞと言われるまで飲んではいけませんが、ドイツではそんなことを言ってくれません。ガボガボ飲むのはいただけませんが、一杯たしなむくらいならドイツのほうは問題ありません。