このブログには現在チェコとドイツ関連の記事があり、既にドイツの大学院の申し込み方法についての記事があります。
折角なのでチェコ側でも同じ記事を作り、ドイツとチェコの比較の一助になればと思います。
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チェコの大学への入学
日本の大学とヨーロッパの大学の卒業は結構意味合いが変わって来ます。
ドイツも恐らくそうですが、チェコで大学を卒業するとチェコの労働許可が与えられ、チェコの労働市場に参入することができます。
つまりチェコ人や他のEU市民と同じように仕事を探すことができ、雇用主側にとって私たちを雇う手間が減ります。
しかしこれはまだはっきりと調べていないのですが、大学を卒業してチェコで労働許可が与えられても例えばドイツやフランスでは労働許可がありません。
ドイツ語はオーストリアやスイスの一部でも使われており覚えれば非常に有益ですが、チェコ語は基本チェコでしか使えません。
しかしチェコは大学を選ばなければ入学はそんなに難しくありません。
大学卒業までにかかる費用もドイツに比べば結構抑えられます。
2019年1月現在、チェコはの失業率は3%前後と仕事を見つけやすいので大学卒業後もチェコ、ヨーロッパに残れるチャンスは高いです。
ヨーロッパの大学を卒業すると一口に言っても、どこの国の大学を卒業するかで将来のキャリアやパスは変わってくるでしょう。
私がチェコの大学を選んだ理由はこちらにあるので興味のある方は読んで見てください。
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計画を立てる
後でも書きますが、チェコは大学の申し込み期限が比較的遅めなので手続きなどの時間には少し余裕があります。
チェコでは大学の入学は大体10月になり、一年ほどの時間をもって準備すれば余裕を持ってスムーズに進められるでしょう。
留学費用を貯める
こちらの記事で大学入学から卒業までの生活費を含めた費用を試算しています。
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日本の生活費込みで比べると、日本の国立に行くより安く抑えられます。
しかし日本の場合多くの大学生はアルバイトをして生活費をカバーできますが、チェコだと最低時給が80コルナ(約400円)いかないぐらいでしょうから日本の感覚でアルバイトをしてもあまり多くはカバーできません。
そしてレストランなどでアルバイトをするとどうしても時間を取られてしまいます。
私の経験上、アルバイトをすると成績に悪影響が出る可能性があります。
大学卒業後日本に帰るとなるとGPAは大切ではありませんが、卒業後もヨーロッパに残ることを考えたり、少しでも大学院に行く可能性があるならばとにかく良い成績を残した方がいいのであまりアルバイトに時間を費やすのも得策ではありません。
なので勉強時間もある程度キープできるようなバランスが必要です。
日本から申し込める奨学金などもいくつかあるので大学生活を始める前に金銭的な負担をどうまかなうか、できれば両親と一緒に考えて見てください。
卒業後のキャリアを考える
一番大切なのは、卒業後もチェコまたはヨーロッパに残りたいか、それとも日本に帰るのかです。
日本に帰る場合、難点なのが就活です。
ヨーロッパの大学は日本と違い在学中に集団で就活を行い卒業後すぐ働けるよう内定をもらうといった形はありません。
自分で仕事を探し、在学中からフルタイムで働く人もいれば、卒業後ある程度休む時間をとってから進路を考える人もいたりとバラバラです。
Baljobがイギリスで日本人向けの就職フェアなど行ったりもしますが、どうしても一部なのでチャンスは少ないでしょう。
逆にヨーロッパに残る場合は大学院に進学するか就職するかになります。
大学院への進学を考えるならばアルバイトより大学での成績を優先する必要があります。
就職を考えるならチェコの大学を卒業すればチェコで労働許可が与えられるのでチャンスがあります。
ドイツにはある程度日本人の正規留学生がいますが、チェコには全然いません。
なので日本語が話せて労働許可を持っている人材は希少になります。
そしてチェコには外資系企業がたくさん進出しており、英語だけで応募できるところも沢山あります。
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留学に向けた具体的なステップ
ここまでは留学を考えるまでの準備段階です。
ここからは留学に必要な手続きを行なって行きます。
募集要項を確認、満たす
まず考える上で大切なのが私立大学に行くか、国立大学に行くかです。
こちらでチェコの私立大学と国立大学の違いについて私の視点でまとめています。
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注意点は、国立大学に行く場合申し込み期限が私立大学より早く、Nostrificationという学位認定手続きを入学までに終わらせないといけない可能性があります。
例えばカレル大学の学士レベルで英語のプログラムの締め切り期限がこちらで確認できますが、大体2月から4月末までになっています。
しかし私立大学の場合、例えばMetropolitan University Pragueは9月まで申し込みができますので時間にゆとりがあります。
プラハだけでも私立大学はいくつもあり、大学によって学費や申し込み期限は様々ですので早めに確認してください。
チェコの大学のリストはこちらのサイトがまとめてますので確認してください。
国立大学は語学レベルなど申し込み要件が厳格で、満たしていないと落とされてしまいますが、私立大学ですとこの点は融通が利いたりします。
例えば先ほど挙げたMetropolitan University Pragueは英語の証明が無くても申し込め、英語の能力が極端に低くない限りは合格できるでしょう。
応募する
自分の興味のある大学、プログラムをリスト化し応募して行きましょう。
申し込みはオンラインでできるところが多く、複数応募するのも難しくはありません。
申請料は数千円かかりますが、日本の受験料に比べたら大したことありません。
入学試験
チェコの大学は入学試験を設けており、申し込み先によってはこのためにチェコに行かなければいけない場合もあります。
チェコに行かずとも入学試験や課題を日本からできるのか、それともチェコに行かなければいけないのかで手間が大きく変わります。
合格通知、入学手続き
私は合格通知が入学試験を受けてから数週間後に受け取りました。
ここからは学費の支払いに、家探しそしてビザの取得と手続きが多くなってきます。
特にビザの取得は日本から申請した場合日本で受け取ることになるので、ビザが取得できるまで日本を離れることができません。
そして7月〜8月は学校は長期休暇になり返事がもらえなくなる可能性があるのでできるだけ早く済ませる必要があります。
ちなみに私が大学に行ってたとき、手続きに一番時間がかかった学生はインド人で、12月の初めにきた人もいます。
住居を探す
何も情報がない中でチェコの家探しはかなり大変です。
運が良ければフラットを見つけることも有るかもしれませんが、インターネット上には詐欺の人もいるので気をつけてください。
基本的には大学の寮以外はお金は事前に振り込んではなりません。
お金はチェコに行って鍵と交換して払いましょう。
しかし最初は大学の寮に申し込んで、そこからフラットを探すのがオススメです。
私の経験をこちらにまとめてありますので参考にしてください。
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学生ビザの取得
こちらは日本にあるチェコ大使館から手続きを行うことになります。
チェコ大使館は混雑したり、早めに受付を締め切ったりと思うようにうまく行かないことがあるので注意してください。
できれば開館時間すぐに行くのがオススメです。
申請には2ヶ月から3ヶ月ほど時間がかることがあり、大学の入学が10月頃と考えると理想は7月までには申請ができてることです。
しかし大学によっては合格通知を6月以降に貰ったりすることもあるのでここからは時間との戦いになります。
ただビザはいつ出るかわからないので事前に航空券の購入はオススメできません。
なのでとにかく早く申請できるように準備しておいてください。
一つ裏技はチェコに入国後チェコから見た第三国でチェコの学生ビザを申請することです。
近場だとベルリン(ドイツ)、ウィーン(オーストリア)、ブラチスラバ(スロバキア)や、ポーランド、もちろん他の国から申し込むこともできます。
しかしまずこの第三国のチェコ大使館にメールなどで申請日の予約を取らねばならず、国によっては混んでいて予約が何ヶ月も先になってしまうことがあります。
そしてもう一点注意しなければならないのは、ビザが出た場合もう一度その国のチェコ大使館に行ってビザを受け取らなければいけません。
つまりチェコから遠かったり、簡単に行けない場所で申請すると非常に手間になります。
日本人はチェコに90日間ビザなしでいられるのでチェコに到着後できるだけ早く第三国に行って申請し、90日以内にビザが出れば大学を休んででもビザを受け取りに行き、90日以上時間がかかる場合はビザを受け取るように数日分を残してシェンゲン外(近場だとウクライナやセルビア)で待機する必要があるので必ずしもいい方法というわけではありません。
手間や費用を考えると日本でビザを受け取れるのがベストなのでこの裏技はあまりオススメしません。
合格通知を受け取った時点で時間がどれぐらいあるか、あまりない場合は日本と第三国からの申請両方を視野に入れて準備することをオススメします。
Nostrification
もう一つ非常に厄介なのがこのNostrificationです。
私立大学、国立大学で手続きの方法が変わってきます。
国立の場合は大学で手続きを行える可能性があります。
私立大学の場合は住む各市町村で行うので手続きがややこしく時間とお金がかかります。
Nostrificationに関してはこちらでまとめましたので一度読んでください。
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最初に確認するのは、いつまでにこのNostrificationの手続きを終わらせないといけないかです。
入学までに終わらせないといけない場合は急ぐ必要があります。
入学後でも問題なければ、チェコに到着して住所を確保できたらすぐに手続きを始めてください。
恐らく国立はスムーズにできる可能性がありますが、私立の場合は沢山の書類が必要になり、日本とチェコ両方で集めなければいけないので日本を出発する前に書類を全て集めてアポスティーユまで付けてください。
まとめ
どこの国でもそうですが、海外正規留学となると沢山の書類と手続きが必要になります。
準備から出発までに1年間ほどを見ておいてください。
特に大変なのが大学に申し込むまで(締め切り期限、モチベーショナルレター、大学によっては推薦書など)と合格通知を受け取ってから学生ビザと住居の確保です。
時間ギリギリになって書類が足りないとか、申請したが書類に不備があるとかトラブルも沢山でてきます。
そのためにも準備期間を長めにとってください。
日本を発つまでに役所での手続き、お金の送金方法、人によってはさらに奨学金の申請などやることはいくらでもでてきますので紙に何をいつまでにしなければいけないかTo Doリストを作って一つ一つやっていきましょう。
もし出発までアルバイトをしてお金を少しでも貯めたいなら、できるだけ週末に入れてください。
週末は役所、銀行、学校、大使館など書類関連が何もできないので準備の邪魔になりません。
こちらの記事でも各手続き部分で詳細を説明しているので全て目を通してもらえるとより理解が深まります。