クリスマスが近づくにつれ、僕の会社のヨーロッパ人同僚たちは里帰りをはじめ、普段はフランス語やスペイン語が飛び交う社内も、すっかり静やかになってしまいました。
僕の同僚に一人、ウクライナ人がいるのですが、クリスマス前に実家に帰ったまま会社を辞めてしまいました。彼女が持っていたドイツとウクライナのマーケットの代わりを任せられる人がいないというので、1ヶ月限定で彼女の顧客を引き継ぐ形で、Lvivに出張する羽目になりました。
そこで、思いもかけずクリスマスマーケットの爆発事故を目撃してしまいました。
Lvlvに出張
Lvivは、西ウクライナ中規模都市です。そこはポーランドよりポーランドらしいと言われており、街中ではウクライナ語に加え、たまにポーランド語の話し声も聞こえます。
ウクライナのクリスマスは12月ではありませんが、商業的な理由から、11月の終わりごろからクリスマスマーケットが始まり、1月ごろまで続きます。
Lvivのクリスマスマーケットは公園からオペラハウスに向かって一直線に続いており、町を横切る形でクリスマス―ケットの賑わいを体感できます。
さて、今回顧客へのあいさつも終わり、プラハに帰る飛行機の時間が余っていたため、町をぶらぶらし、クリスマスマーケットを見学することにしました。ところが、そのときどうもただならぬ気配を感じたのです。
クリスマスの喧騒をかき消すように、爆音と、それに続いて黒煙が冬晴の空に立ち上り始めたのです。
僕はその時、ちょうと黒煙の立ち上っている、オペラハウスのほうに向かっていたのですが、そちらの方向からは、僕のほうにウクライナ人が慌てふためいて逃げてきます。
大和男子たる僕は、ここで群衆に交じって逃げるのもカッコ悪いと腹をくくり、黒煙の立ち込める方向に向かって突き進んでいきました。
現場に近づくにつれ、事態が明らかになってきました。どうやら、クリスマスマーケットの屋台が爆発したようです。
延焼を抑えるために、消防車がやってきます。クリスマスマーケットの路肩に駐車中の車を削りながら、現場へと向かっていく様子を見て、僕は唖然としました。流石ウクライナ。
僕が現場に到着したころ、すでに火は消えていました。現場近くの屋台は、すでに何事もなかったかのように営業を開始。
爆発の原因は分かりませんが、どうやら出店のガスボンベに料理の火が引火したとかなんとか。テロも怖いですが、こういう訳の分からない事故も十分怖いですね。
友人曰く、これはウクライナの日常のようです。ウクライナのクリスマスマーケットは1月7日までです、興味があれば是非見学を..