交換留学でドイツの大学や大学院に留学する日本人は多いですが、中々ドイツの大学院をフルに経験した日本人は周りにいないのではないでしょうか。今回は、日本の経営学科を卒業後、ドイツの某一流大学院で経営学のマスターを卒業した僕の体験談を元に、ドイツの大学院の勉強風景やスケジュールなどについてまとめていきたいと思います。
[word_balloon id=”unset” src=”https://uueuro.com/wp-content/uploads/2019/05/Picture3-252×300.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]ドイツの大学院で経営学(BWL)を専攻している田辺です!今回は僕がドイツの大学院の夏セメのスケジュールに関してレクチャーしますね[/word_balloon]
セメスターの始まり前
夏セメスターの授業は一般的に4月から開始されます。セミナー形式の少人数制の授業となると人数制限を設けているため、授業開始の前、すなわち2~3月頃から「選考」を受けなくてはいけないケースもあります(自身の成績と過去の単位を申請すれば勝手に合否判断してくれるところもありますが)。人気のあるセミナーは早いうちに締め切ってしまうので、この辺の動向はきちんと把握しておく必要がありますね。
セメスターの始まり前は、学生にとって息抜きの時期で、学部によっては新入生の歓迎会なども行われています。こうしたイベントごとの通知はフェイスブックグループなどを通じて行われるので、自身の属している学部のイベントはこまめに追っておきましょう。特に過去問を得るときなどにこうした縦のつながりは重宝します。
[word_balloon id=”unset” src=”https://uueuro.com/wp-content/uploads/2019/05/Picture3-252×300.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]日本の大学と違って、丁寧にオリエンテーションなどしてくれません。知らないでいると、難易度の低いセミナーなどは全部埋まってしまい、大変なことに・・[/word_balloon]
セメスターの開始直後
大学院にもよるのでしょうが、私の大学院では1セメスターにつき5科目を履修することが推奨されていました。あくまで推奨なので、7科目でも良いですし、3科目でも良くて、全て生徒の自主性に任せられます。卒業までには20科目分の単位が必要(卒論は5科目分のカウント)だったので、通常の2年で卒業がしたければ毎セメスター5科目ずつ履修するのが定石となります。
開始直後の1~2レッスンは、主にシラバスの紹介など、割とのんびりとしたテーマです。また、夏セメスター開始と同時に大型のイースター休暇がやってくるので、一年の中でも一番学生がリラックスできる時期ではないでしょうか。
ちなみに、ドイツの大学院では出席点はほぼ加味されないので、授業に出ていようがいまいがあまり関係ありません。試験で良い成績さえ取れれば単位はクリアできますし、逆に全部出席して真面目にノートをとっていても、試験の成績が悪いと簡単に落第します。
授業後の復習と授業前の予習はどの講義でも推奨されています。1科目につき週4~5時間くらいでしょうか。5科目とっていると、講義以外の勉強時間に週20~25時間くらいとられることになり、講義を含め毎日6~7時間は勉強に費やす計算になります。ネイティブであるドイツ人が優秀な成績で卒業しようと思ったらこれくらいの勉強時間が必要なので、我々日本人はもっと必要です。バイトしている暇など無いことが分かりますね。。
[word_balloon id=”unset” src=”https://uueuro.com/wp-content/uploads/2019/05/Picture3-252×300.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true” icon_type=”sweat” icon_position=”top_left” icon_size=”M”]ドイツの大学院を卒業するのはかなりハード。とてもじゃないけどバイトなんてしている暇はありません[/word_balloon]
セメスター中期
というわけで、サークルやバイトといった、日本の学生がたしなむ大学生活の醍醐味というものは、ドイツの大学院生活ではあまり味わえません。代わりに、地元のスポーツクラブに所属したり、ジムに行ったり、プチ旅行に出かけたり、金曜の夜にクラブに行ったり、というのが学生の楽しみ方になります。当たり前のことですが、学生の本分は勉強することなので、それ以外のことに時間を費やす余裕はないわけです。
とはいえ、中にはバイトをする学生も少なくありません。運が良ければ、教授のアシスタント職などを得ることができます。履歴書にも有利で、かつ、学んだことが実用できる場としてこのアシスタントバイトは人気が高いですが、倍率も高いのでちょっとやそっとじゃ勝ち取ることができません。
[word_balloon id=”unset” src=”https://uueuro.com/wp-content/uploads/2019/05/Picture3-252×300.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true” icon_type=”sparkly” icon_position=”top_left” icon_size=”M”]運よくアシスタントバイトが見つかれば、お金と経験の両方が手に入ります。ダメもとで申し込んでみましょう[/word_balloon]
セメスターの終わりと期末試験
そうこうしている間にセメスターの終わり、6~7月には試験期間が近づいてきます。試験期間には「期末試験」と「セミナー論文の締め切り」が集中しており、日本の大学生のように一夜漬け作戦は通用しません(これだとほとんどの確率で単位は来ない)。そのため、日ごろの予習・復習の成果がものをいうわけです。
期末試験の中には、計算機やカンニングペーパー(自筆のものなら)持ち込み可のところもあります。この辺の条件に関しては教授が前もって伝えているので、情報を聞き漏らさないようにしましょう。また、過去問を入手できるかどうかも命運を分けます。過去問は大抵、所属の学部(経営学部であったらWiwi)の運営団体に頼めば分けてくれます。もしくは、同じ科目をとった友人や先輩に聞いてみるのも一つの手でしょう。
一発試験の期末試験と違い、セミナー論文はまだ温情があります。教授が方向修正をしてくれるので、締め切さえ守れば、単位がこないという最悪の事態は防げます。
期末試験も、セミナー論文も、提出から2~3週間程度でウェブ上で成績が公開されます。中には、2~3週間後に再試験を設けているところもあり、落第してしまうと夏休みを楽しむ間もなくこの追試の対策に追われることになります。
[word_balloon id=”unset” src=”https://uueuro.com/wp-content/uploads/2019/05/Picture3-252×300.png” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true” icon_type=”glazy” icon_position=”top_left” icon_size=”M”]日本の経営学科とは比べ物にならないくらい、ドイツの経営学科の試験はハード。今でも追試の夢をみてしまいます。。[/word_balloon]
夏休み
このように、勉強漬のセメスターが終わると、ようやく念願の夏休みです。どこかの国に旅行したり、地元に帰省したり、と人によって楽しみ方はまちまちでしょう。夏休み中でも基本的に大学施設は空いていることが多いので、卒業論文の締め切りが迫っていたりすると図書館にこもって執筆作業に勤しむ学生の姿も見られます。また、ドイツの一般家庭はクーラーが配備されていないので、逃げるように空調のきいた図書館にやってくる学生も見ることができるでしょう。
夏休みといえど、冒頭で述べた通り次セメスター向けの選考が始まっていることもあり、気は抜けません。
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