スウェーデンの大学の質は世界的にも認められており、かつ入学試験がないことから、留学生にも魅力的な留学先の一つです。とはいえ、誰でも入学できるわけではなく、厳格な書類審査がおこなわれるため、どの大学がどれくらいの倍率かは前もって知っておくと便利です。
今回はスウェーデンの大学受験にあたり各大学の倍率がどの程度なのか、どの大学やプログラムの競争率が高かったり、人気なのかを見ていきます。
[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]スウェーデン歴3年の森本です。現地の大学院を卒業して現在はコンサル企業で勤務中です。今回は、あまり日本で出回っていないスウェーデンの大学の入試倍率についてまとめていきたいと思います[/word_balloon]
スウェーデンの大学入学競争率
スウェーデンは大学の受験やコースの履修などすべて国が一元管理しており、入学などはオンラインで手続きが済ませられます。
そのおかげか、国が大学関連の統計を公表しており、具体的な受験者数や合格者数などをインターネット上で確認できます。
統計はUniversitets och högskolerådet(スウェーデン語)から確認でき、リンク元では2008年度の統計まで出しています。
今回はこの統計を元に英語のみで受験できる大学プログラムの人気度や合格難易度・倍率を見ていきます。
[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]IT先進国のスウェーデンでは、なんでも基本的にオンライン上で処理が可能。ことあるごとに現金払いや郵送が求められるドイツとは時代の違いを感じます[/word_balloon]
倍率算定方法について
スウェーデンの大学の実際統計データを以下にまとめました。
2019年度の申し込みは終わりましたが、まだ合格者数などは発表されていないので今回は2018年度の情報を元に表を作っています。
表には英語のみで受験できるプログラム、各プログラムの全体の応募者数、各プログラムの第一希望人数、全体合格者数、BI合格者数、BI補欠合格者数、及び合格のポイントが乗っています。
まず受験者は幾つかのカテゴリーに分類されます。
スウェーデンでは高校の成績が低かった人などは別の補習コースやテストなどを受けて成績をあげたりできますが、こう言った人たちは日本人の入るとは別にカテゴリーに分類されます。
日本人や他の外国人は高校の成績のみで受験することになり、それはカテゴリー「BI」に分類されます。今回は、日本人のスウェーデン受験を対象にしているので、このカテゴリのみ対象です。
統計では他のカテゴリーごとにも合格者数など出していますが、日本人にはあまり関係ないのでこの辺は省いています。
詳しい情報はこちら(スウェーデン語)を参照ください。
統計表
「*」=応募者全員合格
「-」=情報確認できず
合格点に関しては別の記事でまとめていますが、最高点は22.50になり、最低点は10.50になります。点数の詳しい出し方に関しては以下を参照してください。
[blogcard url=”https://uueuro.com/merit-rating/”]
さてやはりプログラムによって、倍率に差があるのがわかります。
スウェーデンの中でもトップ大学の一つである、KTHが学士課程向けに唯一提供してる英語プログラムのInformation and Communication Technologyなど、合格点に19以上必要なところはかなり競争が激しいと見えます。
一方Linnaeus UniversityのMarketing Programmeなど、15前後でも合格できるところもあるので成績が特に高くなくても入れるプログラムが見て取れます。
そして合格点が*になっているところは「BI」の受験者が全員合格したことを意味しています。日本で言うところの定員割れの様な感じでしょうか。
[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]定員割れになるような学部は、基本的に学生から人気がなく、卒業後の就職チャンスも限られています。もちろん、学部によりけりですが・・[/word_balloon]
[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ヨーロッパの場合、大学・大学院の専門はそのまま将来のキャリアに直結するから、本当に自分がなにを勉強したいかしっかり見極める必要があるわね。[/word_balloon]
文系の中では北欧は平和学などが盛んですが、Malmo UniversityのPeace and Conflict Studiesの受験者が約450人ほどで、全体の合格者数が80人ほどと一見競争率は高く見えそうですが、合格ラインは13.69と決して難しいとは言えません。
そしてスウェーデンは生命科学分野が全体的に強いのですが、意外だったのはUniversity of SkövdeのBioscienceプログラムが定員割れしていたことです。
私なりの分析だと以下の点が上げられるのではないかと思います。
- 受験者はいくつものプログラムに同時に応募するので、合格しても入学しない可能性がある。
- 外国人受験者はスウェーデンに限らず様々な国の大学に応募するので、スウェーデン内の第一希望の大学に合格しても入学しない人が一定数いる
- 外国人ほどではないにしろ、スウェーデン人も海外の大学を受験していて、国内の第一希望の大学に合格しても入学しない可能性がある。
- 非EU市民は授業料がかかり、受験して合格したまではいいが、費用が捻出できず入学を断念する。
スウェーデンの大学入学は難しいか?
表を見ますと人気、不人気の差がかなり見て取れます。スウェーデンの名門大学はやはり相当難しいのは統計から見て取れます。
もちろん受験者数が多ければ競争は厳しくなりますが、それでも合格ラインが絶対高いかと言うとそうではありません。
[blogcard url=”https://uueuro.com/swedish-university-ranking/”]
文系、理系を問わず定員割れの様なプログラムもあります。
もし学部学科を問わないのであれば、入学のチャンスはぐっと広がります。
[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]どこの国でもそうであるように、やはり医学、薬学、法学系などは人気のプログラムです。[/word_balloon]
[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]もちろん、倍率が高い=いい大学とは限らないけど、大学を決める際のある程度の指標にはなるわね。[/word_balloon]