今回の記事ではチェコでワーホリの魅力について書いていきます。
私はプラハに住んでいるのでプラハの話が中心にしたいと思います。
いくつかチェココルナで表記していますが、2019年2月現在1コルナ4.8円なので、便宜上約5円と考えてください。
ユーロに関しては1ユーロ125円となっています。
チェコってどんな国?
チェコはヨーロッパの中でも中央に位置しておりドイツ、ポーランド、スロバキアそしてオーストリアに囲まれています。
チェコは今ではドイツやポーランドに囲まれた小さい国であり、所謂「東ヨーロッパの一部」というイメージがありますが、中世の時代では現代チェコの前身であるボヘミア王国として神聖ローマ帝国の一領土を築いていました。
一領土と言うと独立国ですら無いような印象を受けますが、このボヘミア王国は名前の示す通り王国であり、さらには神聖ローマ皇帝を選ぶ7人の選帝侯の内の1人でもあり大変重要な地位を占めていました。
チェコの歴史を語る上で避けることのできない人物がカレル4世です。
日本の教科書では確かカール4世と書かれている彼は14世紀にボヘミア王であり神聖ローマ帝国の皇帝でもありました。
彼の治世にドイツ領域より先んじて中欧最古のカレル大学を創設し、さらにはブルタバ川に架かるカレル橋を作り現在のチェコの礎を築きました。
一方文化的にもボヘミア王国は大きく栄華を誇ります。
16世紀末から17世紀初頭ボヘミア王、そして神聖ローマ帝国皇帝であったルドルフ2世はプラハを中心に文化・芸術を大いに奨励します。
ルネサンス芸術であるイタリア地方とフランドル・ネーデルランド地方の画家や芸術家が、ルドルフ2世の庇護を受けプラハに集い芸術活動を行うことによりボヘミア王国は中世中欧ヨーロッパの文化・政治の中心地として花開くことになります。
中世は神聖ローマ帝国の一領として存在し、近代以降はオーストリア=ハンガリー帝国の一部でありましたが第一次世界大戦後オーストリア=ハンガリー帝国は崩壊の運命に従いチェコはチェコスロバキアとして悲願の独立を1918年に成し遂げます。
しかし独立も束の間、第二次世界大戦前夜の1938年にはナチスドイツがチェコスロバキア領であるズデーデン地方を併合、第二次世界大戦後にはソ連率いる共産圏に組み込まれ、1989年のビロード革命と称される民主化まで苦難の時代が続きます。
見ての通り複雑な歴史を経た結果、ドイツ語の影響を受けたスラブ語圏であり、東方よりもドイツ、オーストリアとの歴史を深く長く共有し、第二次世界大戦とソ連の影響により東ヨーロッパの印象が強い歴史の産物が現在のチェコになります。
チェコの物価
ドイツやオーストリア、ロシアなどに囲まれるという地理的な要因によりチェコは山あり谷ありの独特な歴史を綴っていきました。
今度は視点を変えて物価についても少し見ていきたいと思います。
ちなみにチェコの物価を一言で表すなら西欧や東京に比べて圧倒的に安いです。
自分の大学在学中の月の生活費は家賃とか全部込みで6万円でした。
そして2018年11月時点で日本チェコ間の直通便はありませんが、安ければ5−6万円で往復便があったりします。
家賃
チェコの家賃はドイツや他の西欧に比べて安いです。
一概には言えませんが、プラハで一人部屋を借りてアパートをシェアする場合7,000コルナくらいから、小さいアパートを丸々借りるスタジオフラットの場合は10,000コルナくらいからあります。
ちなみにプラハは近年好景気に引っ張られて家賃は上昇しています。
プラハの家賃の上昇率はEU内で非常に高くRadio Pragueによると新築の家賃は2017年の一年でおよそ20%近く上昇していて、新しく来る人にはあまり嬉しくありません。
Facebookの英語で部屋探し用のページを確認すると、多くは一人部屋でフラットを他の人たちとシェアしても多くは10,000コルナからになります。
しかしエージェントに依頼すると家賃1ヶ月分報酬としてチャージされる代わりに4000コルナ代からあるので、長期で住むのを前提にしてるのであれば家賃もある程度抑えられます。
話は少し逸れますが、学生の場合は大学の学生寮に住むことができ、家賃を大幅に節約できます。
プラハにある国立大学は寮を持っており、大学生であれば誰でも申し込めます。
住む場所にこだわらなければ4,000コルナ以下でも住む場所を見つけられる可能性があります。
交通費
プラハの公共交通機関としてはメトロ、トラム、バスの3つになります。
日本と違う点はこの3つの乗り物のチケットが共通であり、定期がある場合はプラハ市内全て乗り放題になります。
上の表だけ見ると東京より安いぐらいにしか見えませんが、定期券を持つと非常に安くなります。
これを見るとわかりますが、1年間の定期券の料金は3,650コルナ、これは日本円で18,000円程なので1日50円ぐらいの計算になります。
ワーホリで来る方などは定期券を持ってしまえばプラハ市内の移動には一切困りません。
しかもプラハ市内は毎日ナイトバス、ナイトトラムがあるから市内の移動は勿論のこと、なんとプラハ空港も市内なので24時間行けちゃいます。
他にも地理的に良い点として、隣国にバスや電車で数時間で簡単に行けちゃうんですよね。
例えばドイツのドレスデンまで2時間で12ユーロ、ベルリンまで4時間で15ユーロ、ミュンヘンまで6時間で18ユーロ。オーストリアのウィーンまで5時間で15ユーロ、ポーランドのクラクフまで6時間で10ユーロとバス、電車旅をする上ではとても便利。
普段の生活が便利なだけでなく、プラハを拠点にヨーロッパ旅行なんてのも非常にしやすいです。
食費
食費も日本より割安になります。
やはり一番安いのは自炊で、肉類は日本より安く手に入ります。
特に安いのはパンで、味のついてない基本的なパンは一つ2コルナとかで変えるのでお金をセーブするにはもってこいです。
チェコ人はこのパンにスープなどを付けて食べたり、煮込み料理と一緒に食べたりします。
味噌、みりん、醤油などの日本食系は残念ながら高くつき、日本の値段の3倍ぐらいするのでどうしても高くつきます。
ただお金を出せばだいたいのの食材は手に入るので日本食を作れないということはありません。
外食は大体100コルナくらいでしょうか、ヨーロッパではファストフードでおなじみのケバブは90コルナほど、マクドナルドのセットは120コルナからになり、普通のレストランに行くと200コルナ+飲み物代がかかります。
逆に激安なものがビールです。
チェコ人の年間ビール消費量は世界一で、それに負けじと値段も非常に安いです。
スーパーで500mlのビールを買うと大体10コルナから、パブやレストレランで飲んでも30コルナ〜40コルナであり、不思議なことにお水やコーラなんかより安いこともしょっちょうです。
おかげで飲み会などにいっても一回のお会計が500円くらいで済んでしまうこともあります。
学校もリーズナブル
人によってはお金を払ってでも学校で英語を学びたいという人がいると思います。
例えばプラハにある私立大学でMetropolitan University Pragueというのがあります。
こちらは大学準備コースとして英語のみを一年間学ぶコースがあるのですが、こちらの授業料は一年間でたったの約2,300ユーロ/55,000コルナ。
他にも英語の語学学校でも45分の授業が最大で一回約5ユーロというのもあります。
学校で学ぶにしても安上がりに済ませることができます。
ちなみに、私はチェコの私立大学を卒業しましたが、学費と生活費合わせて卒業までに要した費用は200万ちょっとでした。ワーホリを経験してみて、チェコに馬があったなら、そのまま大学に入ると、卒業後に就職先が見つかりやすいです。
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日本でまだ自動車免許を取ってない人は・・・
さてワーホリを考えている人の中で車の免許をまだ取得していない方もいると思います。
日本で車の免許を取るのは合宿に通ってもどうしても20万円以上かかりますよね。
なんとチェコでは英語で自動車学校に通えて、しかも料金もこちらを見るとなんと10,000コルナで自動車の運転免許が取得できちゃいます。
実際の免許の取得方法は日本と一緒で少し複雑なのと、日本で運転できるようにするには国際免許にしないといけないのでその手続き等はまた別の記事で書いていこうと思いますが、それでも日本で免許を取得するより断然安くできることになります。
チェコ人とは
チェコ人はスラブ系にルーツを持っておりチェコ語もスラブ語圏に属します。
スラブ語圏というとロシアが出てきますが、似ており勉強すればお互いすぐわかりますが、逆にいうとチェコ語とロシア語ではコミュニケーションは成り立ちません。
とはいえ顔つきもやはり似ており、日本人がイメージするロシア人に近いものはあります。
男性の平均身長は180cm、女性でも167cmと日本人より背が高いです。
その分すらっと足が長い人が多いのも事実で日本人の私からすると羨ましいなと思う人を多々見かけます。
おかげで街中でも普通に美男美女に遭遇できます。
ちなみにドナルドトランプ大統領の娘イヴァンカトランプの母親はチェコスロバキア出身です。
仕事
ワーホリで来る人にとって特に気になる点は仕事ではないでしょうか?
海外で、ましてや非英語圏で仕事を見つけるのは困難なイメージがありますよね。
もちろん全部が簡単というわけには行きませんが、実はチェコにはチャンスがあります。
日本人でもアルバイトが見つけやすい
仕事が見つかる、見つからないはそのままワーホリが成功するかしないかに直結するでしょう。
チェコの凄いところは、現在好景気で、なんと2017年の失業率はEU内最低でした。
Eurostatによると2018年9月のチェコの失業率はわずか2.3%とドイツの3.4%より更に低いのです。
非スラヴ語圏のEU市民がチェコで仕事を見つけて引っ越して来るということもよくあります。
私のフランス人の友達は、フランス国内で半年間仕事を探したが見つからず、結局チェコで仕事を見つけたのでプラハに引っ越してきたと言っていました。
チェコ語ができなくとも、英語ができればレストランやカフェで仕事を見つけられる可能性はあるのです。
私がよくいく韓国料理屋もウェイターを募集しておりチェコ語の能力は必須ではありませんでした。
私も一時寿司屋でアルバイトをしていましたが、面接も合格前提で話をされ、チェコ語は必要ないと言われました。
そのバイトは半年ぐらいで辞めましたが、たまにそこで食事をしに行くたびに寿司屋のオーナー(ベトナム人)から「またうちで働かない?人足りてないんだよ。」と声をかけられています。
特にキッチンや寿司などでは語学能力はあまり重視されないので料理のスキルや経験がある人は更に仕事を見つけやすくなるでしょう。
就職
上にも書いたようにチェコの失業率はEU内最低で、職探しにはもってこいの場所とも言えるでしょう。
チェコの人件費は西欧より安く、外資系企業も積極的にチェコに進出しており、日本からもたくさんの企業がチェコに拠点を構えています。
私も大学を卒業後フランス系の商社に就職して現在に至ります。
日本と違い新卒という概念は無く、経験がある方が有利に仕事を見つけられるでしょう。
私は日本ではコンビニなどの仕事程度の経験しかありませんでしたが、就職した会社は日本マーケット担当の人材を探しており日本語が話せる人を必要としていました。
チェコには日本人はあまり多く無く、主に駐在員やその家族が大半を占めますし、ヨーロッパで仕事を探す日本人はドイツやイギリスなど更に西に行く傾向があります。
おかげで私は大卒で大した経歴もありませんでしたがチェコでスムーズに就職することができました。
私の就職の経験談はこちらで詳しくまとめてありますので、よろしければごらんください。
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