【主要部分~質疑応答】ドイツ語でプレゼンを行うときのコツとやり方

前回に引き続き、ドイツ語でプレゼンをする際の心得、フレーズについてまとめていきたいと思います。

前回の記事:【ドイツのメーカーで働くサラリーマン直伝】ドイツ語でプレゼンする際の便利な表現(導入部分)

ドイツ語でプレゼンする際の心得

基本的に、ドイツ語でプレゼンをするのと、日本語でプレゼンをするのとで、良いプレゼンの定義に大きな違いはありません。聴衆のほうを向いて話す、自信をもって話す、大きな声で話す、などの注意すべき事柄は、万国共通でしょう。

例えば、以下のようなサイトなどを見れば、プレゼンの成功方法などが書かれていますが、上述したような内容で、日本でのプレゼンとそう違いはありません。

https://www.saxoprint.de/b2bmanager/sales/erfolgreich-praesentieren/

ただ、特に注意しなくてはいけないのは、ドイツの文化において、相手の目を見て話す、というのはかなり重要な意味を持つ、ということです。ビールの乾杯の時、インタビューの時等、重要な場面で相手の目を見なくては、ドイツ文化では信頼がおけないと見なされます。

ですので、たまに、プレゼンの内容が頭に入っておらず、メモなどを用意する人がいますが、これはNGです。ドイツでのプレゼンにおいて、相手の目を見て話せない、というのはかなりの減点対象になります。

あと、これはドイツに限らずヨーロッパ一般の文化かも知れませんが、大学や仕事場など、基本的にプレゼンを行うような場面では、キッチリとした服装が好まれます(シャツなど)。

スーツを着ていけ、とまではなりませんが、ジーパンよりも、ある程度見栄えの良いパンツやシャツ、革靴などでいくと好印象です。

ドイツ語のプレゼンフレーズ(内容説明、結論、質疑応答)

前回の記事に続き、今回は、ドイツ語でプレゼンをする際のメイン部分の解説を行っていきます。

オーディエンスの注意をひく

プレゼンと言うと大体5分や10分ではなく、場合によっては20分も30分も続くわけで、そのうち段々オーディエンスのほうも飽きてきます。

ですので、プレゼンのところどころに「はい、ここ注目!」というハイライトを導入しなくてはいけないのは、日本にしろドイツにしろどこでも同じだと思います。

ドイツ語ですと、例えば以下のようなフレーズが有効です。特に「Besonders hervorhaben」はフレーズの一つとして有名ですので、このフレーズごと覚えてしまいましょう。

  • Besonders hervorhaben möchte ich, dass… (Dass以下について特に強調したいのですが)
  • Ich möchte zwei Punkte besonders hervorheben.(2点、強調したい点があります)
  • Bevor ich über… spreche, vielleicht noch einige Bemerkungen über …..(~について述べる前に、いくつか付言しておきたい点があります)

例を挙げる

ドイツ人はプラグマティックですので、具体的な数値や例を出してあげると喜びます。

プレゼン資料に全部ぶち込んでしまうよりも、質疑応答の際に「その物言いについて何か根拠あるの?」みたいに聞かれたら、実はあるんです、みたいに後から出すと好印象です。

そういうわけで、以下「例を挙げましょう」のいくつかの言い換えバージョンです。重要なのは「ein Beispiel geben」というフレーズで、例を挙げる、という意味になることさえ覚えておけば、あとはその応用になってくるので、そんなに難しくはありません。英語の「give an example」と全く同じ構造です。

  • Ich möchte das mit einigen Beispiele zeigen (これに関して、いくつかの例をもって説明しましょう)
  • Dazu ein Beispiel. (これに対する例はこちら)
  • Ich möchte Ihnen ein Beispiel dafür geben /Dazu möchte ich Ihnen ein Beispiel geben (これに関し、貴方に一つ例を挙げましょう)
  • Ich erläutere diesen Begriff mit/an einem Beispiel (この概念について、一つ具体的な例をもって解説しましょう)

プレゼンの終了

プレゼンの締めに重要なのは「1.プレゼンの要約」と「2.お礼のあいさつ」です。

プレゼンの要約は、あくまで要約ですので、端的(3ポイントくらい)に要点をまとめます。多分、これ以上多いと要約というかプレゼンの焼きまわしになってしまうので、3つくらい要点を上げるのが普通です。

  • Zum Schluss möchte ich das Wichtigste zusammenfassen. (最後に、いくつか要点をまとめます)
  • Lassen Sie mich zum Abschluss noch sagen, dass …(最後にDass以下を言わせてください)
  • Zusammenfassend möchte ich sagen, dass(要約としてdass以下を言わせていただきます)
  • Damit bin ich am Ende meiner Präsentation (これにて、私のプレゼンは終了です)
  • Vielen Dank für Ihre Aufmerksamkeit(ご清聴ありがとうございました)

質疑応答

Haben Sie noch irgendwelche Fragen?(何か質問ありますか?)
シンプルですが多用されるフレーズです。

Das ist eine gute Frage(いい質問ですね)
この表現、日本語に訳すとものすごく鼻につく言い方なのですが、ドイツでは一般的な物言いです。プレゼンシーンだけでなく、日常会話でも、ちょっと答えに窮するような質問をされたとき、私はいつも「Das ist eine gute Frage」と言って尺を稼ぎます。

Es kommt darauf an (時と場合によります)
これも、プレゼンだけでなく日常会話でよく使います。実に日本人的な言い回しだと思いますので、いつもゼロか100かで答えを求めたがるドイツ人にはあまり響きませんが。

Ich bin nicht sicher, ob ich Ihre Frage richtig verstanden habe. (ちょっと質問の意図をはっきり理解できたかどうか不安です)
相手に質問されても、質問の意図が明瞭でないときには、このフレーズを用います。

Tut mir Leid, mehr kann ich dazu nicht sagen.(すいません、何も申し上げられることはありません)
難しい質問をされたらこうやって逃げます。逃げ切れない場合、下のフレーズを使ってください。

Vielleicht können wir uns später darüber unterhalten.(後でじっくりお話ししましょう)
どうしても分からない質問をされたときの最後の手段です。これで、大衆の前でつるし上げられる事態を避け、質問者との一対一の議論に場を移せます。

拍手のやり方

最後に、ちょっと面白いドイツの文化ですが、プレゼンや講義が終わると拍手ではなく机をたたきます。大学などでも、授業が終わると机をコツコツ叩く音が教室中に響き渡ります。

もしかして、初めてドイツ人の前でプレゼンを終えると「え、こいつら机叩いてる、なんかのブーイングの合図か」とビビりますが、そんなことはなく、単に拍手の代わりです。

参考サイト: