ドイツの生活(語学学校):日本人はどのような日常をエンジョイできる?

世界には200近い国家が存在し、国ごとに異なった生活スタイルが有ります。ドイツにはドイツの、日本には日本の生活の方法があり、その国の中でもさらに、職業や住む地域によって、生活の様相が異なることは簡単に伺えるでしょう。

異なる国で生活を享受するためには、ある程度、その国独自の生活に自らを順応させていく必要があります。

とはいえ、我々は日本人で、多くの場合日本という単一のコンテキストで育ってきたため、中々100%完全に、現地のスタイルに適応する、というのは難しいと思います。

今回は、ドイツにおける生活スタイルを、日本人である私の観点から紐解いていきたいと思います。ちなみに、私はドイツで語学学校→大学院→ドイツで就職、という3段階のプロセスを経たため、そのステージごとの生活を記していきます。

ドイツの生活:語学学校

目的は異なれど、ドイツの語学学校には多くの日本人が通っています。現地の大学に進学したい者、ドイツ人と結婚し現地での生活のために必要なもの、会社のプログラムで来ている者、現地での就職を考えている者、などです。

基本的に、この語学学校段階における我々日本人の立ち位置とは、ドイツ社会における「お客様」のようなものだと認識しています。

語学学校からしてみれば、お金を落としてくれる貴重な顧客ですし、そのため、住居の手配やビザの申請、場合によってはワーホリプログラムの手配など、割と親身になっておこなってくれるはずです。

ですので、ある程度自分でなんでもしなくてはいけない、ワーホリや、本就職組と違い、比較的、ドイツの生活の上澄みの楽しい部分を切り取った生活ができるのが、この語学学校の特徴です。

現地の食事

語学学校に通うと、基本的に昼食のレパートリーが限られるようになってきます。午後も授業がある場合、そこまで遠出できないですし、日本と違って、ランチのメニューが日替わりで味わえるわけでもありません。

語学学校生のメジャーな昼飯スポットと言えば「大学の学食(MENSA)」です。
え、大学に通ってないのに、学食行けるの、という疑問がでるかも知れませんが、学食は誰でも入れます。加えて、語学学校の生徒であれば、学割が享受できるので、例えば、一般料金6€のところ、3~4€で食べられます。

ちゃんとした食事が一食3~4€で食べられる、というのは、ドイツにあっては法外に安い水準で、ケバブですら3.5€します。

ドイツレストランなども、最初のうちは物珍しさで利用される頻度が多いかもしれませんが、値段の高さ(ランチ一食10€程度)、レパートリーの少なさ、料理の運ばれてくるまでの時間の長さ、などがネックになって、段々にご無沙汰になっていきました。

あと、値段の安さ、手軽さ、早さなどで、中華料理なども人気です。こちらも、5~6€でそこそこのものが食べられ、何より注文から10分程度で完成する、というドイツにあるまじきサービス度の高さがウリです。

住居・住まい

語学学校の最大のメリットは、ホームステイ先をアレンジしてくれるところです。それも、300€~と、ドイツにあってはかなり安い水準で、家具付きの部屋が手に入るため、ドイツ初心者にとってはかなりのアドバンテージです。

というのも、ドイツに初めて移住する日本人にとって最大のネックになるのが、住居探しです。特に、大学に通う前、職に就く前、ただの語学学校生、という肩書ですと、フラットを探すのは非常に困難で、住民とのドイツ語でのコミュニケーションにも齟齬が発生します。

そのため、そういったいわばドイツ初心者の泣き所である住居の問題を解決してくれるのは、語学学校の本分ともいえます。

もちろん、自力でフラットを探せたらそれでもいいですし、パートナーがいればパートナーに居候させてもらうのも手です。

ドイツのフラットでの生活に関する詳細は、以下の記事を参照ください。

関連記事:ドイツ特有:フラットシェアリング(WG)に住むメリットは?

交友関係

語学学校生徒であるうちの交友関係は、かなり語学学校の中のコミュニティに依存します。

まず、日本人にとって一番簡単なのが、同じ日本人同士でつるむことです。心理的な安心感はありますが、これに頼るとドイツ語が全く発展しないので、頼りすぎるのもよくありません。

続いて、日本人にとって交友関係を構築しやすいのは、語学学校のクラスにいる同じアジア出身の生徒、韓国、台湾、中国人などとは、私もかなり頻繁につるんでいました。やはり、似通った文化的背景があるので、コミュニケーションが楽なのです。

続いて、EU圏外の人々も、割とつるみやすかったです。南米人、ロシア人、中東人あたりは、やはりEUの外から来た、という意識もあって、ちょっとドイツで疎外感を感じているため、誘ってあげるとすぐに仲良くなれます。

難易度が高いのが、語学学校にいるEUから来た人々との人間関係の構築です。具体的には、スイス(ドイツでドイツ語を学ぶスイス人は意外に多く、なぜなら、スイスの一部の地域では公用語はフランス語で、にもかかわらず職に就くときにはドイツ語が求められるので)、フランス、スペイン人、などは、数も多く、独自のコミュニティを形成しがちですので、そこに、現地語の話せない我々日本人が飛び込んでいっても、ものすごい疎外感を感じます。

さて、それでは、問題の現地のドイツ人との交友、という面でみるとどうでしょうか。

残念ながら、語学学校に通っていると、現地のドイツ人との交友機会というのは、そう多くはありません。語学学校側で、タンデムパートナーを斡旋してくれたり、最寄りの大学の日本語学科などで日本語を勉強するドイツ人をつかまえてみたり、といったことはできますが、学校や職場など、同一のコミュニティがない以上、純粋な現地人との交流は、積極的にクラブなどへ出向かない限り、チャンスが薄いです。

アクティビティ

語学学校のその他特徴として、積極的にアクティビティを組んでくれるところがあるという点です。

具体的には、学校内の生徒による遠足や、サッカー大会、ビーチバレー大会、ボーリング、ロッククライミング等です。

特に、サッカー大会は、いつもアラブ人のガチ勢が本気モードで突入し、他の国の人々がドン引きする、という現象がたびたび起きて面白いです。

その他、地域や大学の催しているアクティビティへの参加も、もちろん個人的に行おうと思えば行えるのですが、語学学校に通っている段階ですと、中々ドイツ語の自信もなく、やはり、アクティビティへの参加や、交友関係は、同じ語学学校コミュニティで終始しがちです。