日本からドイツの大学院入試のためのスケジュールまとめ

ドイツの大学院は、日本にいながらでも応募自体は可能です(要件さえ満たせば)。郵送したり色々と手間はかかりますが、実際に僕も日本からの応募にて合格を勝ち取りました。ただし、スケジュールには注意が必要で、冬・夏セメスターの開始にあわせてビザの申請や授業料の振り込みなどをしなくてはいけません。僕の経験を元に、ドイツの大学院に応募する際のスケジュールをまとめていきたいと思います。

[word_balloon id=”5″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]ちなみにドイツの大学院は第一志望含め念のため10校くらい受験し、うち合格通知を貰ったのは4校でした。受験費用のかからないところがメインでしたので、郵送料だけで済みました。[/word_balloon]

募集要項

大学院の募集要項は大学院によって異なり、大学院によって緩かったり厳しかったり、重視する内容が変わったりと、募集要件を満たしているのかは自分の目で確かめる必要があります。また、語学要件などは学部によっても異なります(例えば、一部の芸術系の大学はドイツ語能力の敷居が低かったり、英語がいらなかったり。以下のテーブルは経営学科の例です。)。

一般的な国立大学院 一流国立大学院 私立大学院
ドイツ語力 B2~C1 B2~C1 無い場合もある
英語力 B2~C1 C1 B2~C1
大学のGPA 2.5以上 3.0以上 2.5以上
GMAT(経営系のみ) ないことが多い あることが多い ないことが多い
学費 年間10万円くらい 年間10万円くらい 年間200万円くらい

私立もピンキリですので、ここに書いてある表がすべてではありませんが、経営大学院卒の僕の感覚ですと、上記のような感じでした。ちなみに、一流国立大学の定義は学部によって異なりますのでこれも注意。

上記の表はあくまで足切りラインで、プラスで論文の実績や仕事経験とかがあると有利に働くこともあります。あとは面接などもあったりなかったり、といった感じでしょうか。教授とのコネなどがあると当然有利です。

要するに、これと決まった募集ルールがあるわけではなく、大学ごと、個人ごとにかなり要件は変わります。応募は日本にいながらでもできますが、英語やドイツ語の応募要件を満たしていないと選考してもらえないことが多いので、最低でも語学のスコアは満たしておきたいところです。

[word_balloon id=”5″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]経営系って外国人にとって穴場なのか、語学の要件と大学のGPAさえよければ割とすんなり合格することができました。ただ、ドイツ語要件がC1のところが多く、それを満たすために苦労します。まぐれで受かっても、授業についていけずに辞めることになるので、語学は入学前にみっちり仕込んでおきましょう。[/word_balloon]

入試スケジュール

夏セメスター(4月入学)、冬セメスター(10月入学)によって異なりますが、冬セメスター開始のほうがスタンダードで、募集人数も多く、卒業までのカリキュラムも冬ベースで組まれていることが多いです。

夏セメ開始 冬セメ開始
募集締め切り 1月くらい 5~6月くらい
結果 締め切りの1ヶ月後くらい 締め切りの1ヶ月後くらい
入学 4月 10月

大体このようなスケジュールで動くので、ターゲットとするセメスターの半年前にはすでに入学準備(語学要件の証明書を得る、大学の成績を英訳しておく、等)は済ませておきたいところです。例えば、IELTSやTOEFLのスコアが必要でも、申し込んでから結果が貰えるまで2ヶ月以上かかるので、この辺もスケジュールの考慮に入れておかなくてはいけません。

募集までに揃えるべきもの

  • 語学の証明書
  • 大学の卒業・成績証明書
  • 職歴の証明書(オプショナル)
  • 推薦状等(オプショナル)

合格後の手続き

ドイツの大学院からの合格通知は、基本的に郵送で送られてきます(ドイツ人は手紙が好き)。そのため、日本からの応募の場合、自宅の郵便受けにローマ字表記をしておかないと届かない可能性も・・

合格通知を受け取ってからしなくてはいけないことがいくつかあります。

ドイツでのビザや健康保険などは入学が認められてからでないと手続きがしづらいので、入学結果が出てから入学までの間隙を縫って行う必要があります。また、これらはドイツでの住所と紐づくので、先んじて住所も見つけないといけません。ドイツは外国人には住居が見つけづらいことで知られますが、大学院生の肩書があると割とすんなりと得ることができます(ただし、安いことで知られるドイツの学生寮は正規学生には入居しづらいという現象が起きています)。

入学後の手続き

さて、ドイツの大学院での生活は事務手続きとの闘いとも言えます。特に、セメスター1期が始まる前に、すでに以下のようなイベントが開始されることもあります。

  • オリエンテーション
  • 新入生歓迎会
  • 科目登録

恐ろしいことに、これらのイベントは特に連絡も無しに行われます。Facebookなどのグループをこまめに確認しておかないと、勝手に他の新入生同士が仲良くなっています。交換留学生のように大学側がもてなしてくれるわけでもなく、初日の簡単なオリエンテーションが終わると、完全に一人で放置されます。このオリエンテーションで友達を作っておかないと、かなりの確率で詰むので注意しましょう(実際には、ゼミなどを通じて仲良くすることもできますが)

交換留学生軍団のように初っ端から外国人と仲良くなることを目的としたドイツ人ではなく、ただのいかついドイツ人の群れにぶち込まれるので、彼らがフレンドリーであることを期待してはいけません。

[word_balloon id=”5″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”田辺(ドイツ)” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]オリエンテーションには一切期待しないほうが良いでしょう。交換留学生と違って、普通にドイツの在学生と同じような扱いをされることとなります。[/word_balloon]

セメスターの開始と一言ヒント

授業登録をオンラインで済ませると、あとは勝手に授業に参加してね、というスタイルでセメスターが進行します。特に出席点のようなものもなく、期末試験の結果だけで成績が決まってしまう過酷な世界です。

繰り返しになりますが、ここで友人ができるかどうかでその後のドイツ大学院生活の難易度が180度変ってきます(過去問の情報やゼミの紹介等)。同じ学部では難しくても、課外活動やジャパンコミュニティなどを通じて同じ学部の仲間を募れたらラッキーでしょう。というわけで、ドイツ人とのコミュニケーションが苦手でも無理やり陽キャを演じる必要があります。