スウェーデン大学生活1年間の流れ 学期制度と試験を留学生が解説!

スウェーデンの大学で留学生活を送る場合は、一学期はどのような流れになっているでしょうか?日本の留学情報誌などをみてもスウェーデンの情報は中々でてきません。

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]今回は、スウェーデンの大学を卒業した私の経験を踏まえ、1年間全体と1学期の大まかな流れについて解説していきます。[/word_balloon]

スウェーデンで留学生活:他の欧州各国とは異なるの?

スウェーデンはヨーロッパの中でも少し独特な教育システムを持っていて、他の欧州各国とは異なった学期制度をとっています。とは言え、中には他の欧州国との共通点もあり、どこが同じでどこが違うのかを知っておく必要があります。

例えばスウェーデンの学期始めは秋・冬学期と春・夏学期の2学期制になり、これは他の欧州各国(日本)と似た特徴です。

そして1学期間に30単位、年間で60単位を取得するのが正規留学の目安になります。大体、1科目の単位が6~7.5単位程度ですので、一年に8~10個ほど、講義やゼミなどで単位を稼ぐこととなります。

そしてみなさんが気になる点の一つとしてどれぐらい講義スケジュールが多忙かに関してですが、これは大学やプログラムによって異なるものの、スウェーデンの大学は自習に重点を置いており、講義自体はあまり多くない場合があります。

ここからスウェーデンの教育システムをより詳しく説明します。

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]良くも悪くも北欧の教育制度は「自立」を重んじる習慣よね[/word_balloon]

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]そうなんですよ。日本みたいに「あれやれ、これやれ」って言ってこない代わりに、結果が残せないと単位も来ない。日本みたいに、レポートや出席点の温情措置が少ない印象です[/word_balloon]

スウェーデンの大学におけるアカデミックカレンダー(学期制度)

まず、学期制度によると1学期は20週間あり、1年間の総計の学期期間は40週間となっています。

比較として、例えばヨーロッパの他の国だと1学期は12週間〜15週間程度が比較的多いのではないでしょうか。このことからもわかるように、スウェーデンの大学の1学期の期間は、他の欧州諸国よりちょっとだけ長いのが特徴です。

秋・冬学期は大体8月下旬か9月上旬から始まり、クリスマスホリデーを挟んで1月上旬か中旬ごろまでです。

春・夏学期は1月から始まり6月ごろまでになります。

このように学期が比較的長いのでその分夏休みや冬休みが他の国より短めになります。

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]スウェーデンの冬なんて、暗くて寒くて何もすることないから、代わりに勉強しろってことかしらね。[/word_balloon]

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” icon_type=”sweat” icon_position=”top_left” icon_size=”M” avatar_hide=”false” box_center=”false”]そうかもですね。冬なんて田舎に住んでたら外出するのもおっくうなので、もっぱら図書館に籠って勉強、勉強でした[/word_balloon]

単位制度

プログラムや科目によって一回にとれる単位やスジェールなどが変わってきますが、講義の量が多い科目だと一科目7.5単位で1学期4科目、合計30単位稼げる形になります。

スウェーデンの場合、1.5単位=1週間のフルタイムの学習分という風にカウントされています。

そして1週間の勉強目安時間は自習、講義双方合わせて40時間になります。

つまり40時間で1.5単位と見なされるので、1学期間の学習時間は40時間 x 20週間 = 800時間になります。

[word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]毎週40時間の学習、ってことは月曜~金曜まで毎日8時間勉強する必要があるってことね。フルタイムで働くのと変わらない拘束時間ね[/word_balloon]

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]英語での試験に慣れてない僕の場合、実際週に50~60時間は勉強していました。サラリーマン時代よりブラックな環境だった気がします笑[/word_balloon]

科目と講義

学期の流れの部分でも説明しますが、スウェーデンでは基本的に一つの専門科目を集中して勉強することが多いです。

講義は出席が必要なセミナーと、出席が必須でない場合があるレクチャーと二つに別れています。

セミナーはプレゼンや試験日として設定され、普段の講義はレクチャーと設定されることが多いです。

教授によっては3回欠席すると単位をもらえなくなる場合もあれば、出席を一切気にしない教授もいます。

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]これだけ聞くと少しイメージがわかないと思うので2例出して解説してみたいと思います。[/word_balloon]

例1:

  • 講義は1週間に2回で各120分
  • 火曜日と木曜日にレクチャーが一回
  • 試験は無い代わりに課題提出があり、自分が提出したプロジェクトを基にしたプレゼンテーションがセミナーとして行われる。

例2:

  • 講義は1週間に3回で各120分
  • 月曜、火曜、水曜にレクチャーが一回ずつ
  • 試験日がセミナーとして行われる

このように科目や教授の性格によって講義や単位認定のやり方に差がますが、少なくとも一回は試験日としてセミナーが設定されます。

スウェーデンでは出席点はあまり一般的ではなく、また上でも述べたように自習が重視されるので講義で忙しいということはそこまで多くありません。

1学期の流れ

スウェーデンの大学では1学期20週間をいくつかのピリオドに分けています。

多いところでは1学期20週間をさらに4つのピリオドに分けています。

1週間目から5週間目を第一ピリオド、6週間目から10週間目を第二ピリオド、11週間目から15週間目を第三ピリオド、そして16週間目から20週間目を第四ピリオドといった感じです。

モデルケースでは各ピリオドで1科目のみ勉強し、各ピリオドの終わりに成績をつけるため試験や課題の提出、プレゼンテーションなどが行われます。

そして次のピリオドに移ったらまた違う科目を集中的に勉強する形になります。

つまり1学期の中でまとまった試験期間というのは無く、各ピリオドの終わり頃に試験などがきます。

しかし厳密にはこれらが守られているわけではなく、科目によっては前のピリオドが終わる前から始まったりと、ピリオドが重なることもあるので、全体的な大枠としてそういった形があると考えてください。

引用:Linköping University:Course information and timetable Full-time courses, part-time courses and ECTS credits
引用:Linköping University:Course information and timetable Full-time courses, part-time courses and ECTS credits

例としてですが、こちらはLinköping Universityの1学期の流れになります。
科目によっては1科目で15単位の分10週間かけて学ぶ場合もあったりと、2科目学ぶ時期も出てきます。

引用:Linköping University:Master´s Programme in International and European Relations

具体的な例として、Linköping Universityの修士課程のヨーロッパおよび国際関係の1学期目の科目になります。

1週間の講義数がどれくらいかは科目によりますが、このプログラムは基本1ピリオドで1科目学ぶスケジュールになっています。

引用:Chalmers University of Technology:the academic year

こちらはChalmers University of Technologyの学期の流れです。

この大学は1学期を2ピリオドで分けています。

[word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]このように、学期がさらにピリオドに細かく分かたれているのが、スウェーデンの大学・大学院の特徴です[/word_balloon]

科目の選択方法

科目がすべて必修で固められている場合は自分で選ぶことはありませんが、自分で選択科目を選べる場合や交換留学生はフレキシブルにスケジュールを組めたりします。

その場合、日本の大学同様、自分でスケジュールが被らないように調整し、あとは卒業までに必要な単位を計算してうまく選択している方法です。

特に交換留学生は制限がかなり緩かったりするので、例えば1ピリオドで2科目取ったり、逆に1ピリオド丸々休みにすることもできる場合があります。

例えば私が秋・冬学期で会ったベルギーからの交換留学生は第3ピリオドまで科目を取り、第4ピリオドで科目を取らず、クリスマス休暇の時点でスウェーデンから帰国して長い休暇を楽しんでいました。

ただ下手に2科目同時に取ると講義やセミナーが重なることもあるので気をつけてください。

試験

スウェーデンの大学では試験=筆記試験では必ずしもなく、その代わりに試験が宿題として課せられたり、筆記ではなく口頭で試験をおこなう形式も存在します。

試験の方法としては;

筆記試験

      1. :日本でも行われる一般的な記述試験

    Take home exam

        1. :テーマ(問題)を与えられ各自で決められた時間で答えたりエッセイを書く。期間は24時間だったり1週間だったりと様々

      オーラル試験

        1. :試験官が問題を出しそれを口述で答えていく。1時間を超えることがある場合も

      どの形式の単位認定にどこまで時間を割くかは、個人の嗜好によります。例えば、僕の友人は口頭試験が苦手なので、筆記試験を多くとっていましたし、その逆にセミナー形式の試験ばかりとるものもいます。

      エッセイ

      エッセイの課題は、学士過程の場合グループ、個人両方あり、割合は半々程度です。

      そして修士課程では大体個人でのエッセイになります。

      参考として私があったエッセイ(論文)の課題ですと、4週間与えられて3,000語以上でした。

      エッセイの提出締切日はそのピリオドの最後の週で、数日後のセミナーの日で自分のエッセイを要約したプレゼンテーションを行いました。

      [word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ドイツやオーストリアでも、論文系の試験は一般的ね。[/word_balloon]

      [word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” icon_type=”sweat” icon_position=”top_left” icon_size=”M” avatar_hide=”false” box_center=”false”]時間をかければ必ず単位がもらえる分、一発勝負の筆記試験と違ってやりやすいんですが、逆にいえば必ず膨大な時間が必要なので、毎日図書館で論文書いてるとノイローゼになりそうですね。[/word_balloon]

      プレゼンテーション

      プレゼンテーションも科目によって行われますが、私の経験上プレゼンテーションのみで成績をつけられることはありませんでした。

      プレゼンテーション+エッセイや試験などです。

      プレゼンテーションも学士レベルなら個人、グループ両方あり、修士だと大体個人になります。

      日本人にとって外国語で人前で話すというのはとても難しいでしょうが、それでもプレゼンテーションはやりさえすれば一番合格しやすい部分でもあります。

      再試験(試験に落ちた場合)

      Swedish Council for Higher Educationによると再試験は5回まで受けられるとアナウンスしています。

      しかし私の経験上それ以下の場合も頻繁にありました。

      コースによって再試験は一回しか用意されなかったり、また教授の都合で一切できないということもありました。

      この点は教授とある程度相談する余地があると思いますが、絶対に5回受けられると考えない方が安全です。

      [word_balloon id=”3″ position=”R” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ヨーロッパの大学って、割と大学ごとであったり教授ごとで謎ルールが設けられているのよね[/word_balloon]

      [word_balloon id=”4″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]そうなんですよ。僕の教授も、夏休みに旅行にでかけるとかで、再試験の日程が次の学期にもつれ込んだり、色々情報収集面で苦労しました[/word_balloon]