ドイツで就学、就職を考える際に、重要なテーマになるのが語学、すなわちドイツ語です。英語の発達しているドイツ社会とはいえ、社内の会議は母国語で行われがちですし、大学も学部によっては語学が必須です。
英語と違い、ドイツ語の語学学校の概要は、中々日本人には馴染みが薄いように思いますので、以下まとめていきます。
語学学校ってなに?
語学を履修する目的で通う教室、学校が、語学学校と呼ばれています。ドイツ語を学ぶ場合、日本にあるドイツ語の語学学校(例えば、ゲーテ・インスティテュート等)、またはドイツにある語学学校に通うのが一般的かと思います。
語学学校はレベルごとにクラス分けされており、ヨーロッパで良く用いられるクラスの単位は「A1」「B2」のような、A~Cでランク分けしたものです(A1がビギナー、C2が母国語レベル)。
語学学校によっては、特殊な目的のための講座を設けており(例:ドイツ語医療系コース、ドイツ語試験合格コース、等)、各々の目的に応じた語学学校を選ぶのが重要です。
語学学校の日常
クラスの開講される時間は学校によってまちまちですが、午前のみ、または午前+午後(集中コース)、のような分け方をしている語学学校が多いと思います。
例えば、私の通っていた語学学校の授業は午前のみで、午後は自習のために学校が解放され、質問などがあると先生のところに持ち込んでよい仕組みでした。
上述のように、レベルによってクラス分けがなされ、年齢や国籍は雑多にまじりあっています。ですので、小学生くらいのオランダ人や、還暦を迎えたフィンランド人なども、私の語学学校には在籍していました。
ただ、語学学校の中でのレベルが進んでいくにつれ、クラスに残るのは夏休みを利用してドイツに半ば遊びに来たような冷やかし連中ではなく、帰る先のない難民や、南米人、中国人・韓国人・ロシア人など、ガチ勢でクラスが構成されるようになっていきます。
私の通っていたクラスは、生徒の半数以上がドイツの大学・大学院に進学を目的としていたため、年齢層も近く、割と打ち解けやすい雰囲気でした。
そのため、クラスの中でも共通意識が芽生え、自然と、飲み会やテニス・サッカーのようなアクティビティなどが増えていきます。
ある程度のレベルに達すれば、ドイツ語でのコミュニケーションもできるようになるため、こうした周りの学生と切磋琢磨しつつ語学を勉強する、というのは中々良い経験になります。
試験
ドイツ語の語学学校に通う生徒の目的は、基本的に語学試験に合格し、大学受験、あるいは就職で使える実用的なドイツ語を身に着けることです。
さて、試験とは何かというと、英語の習熟度を証明するための試験がTOEIC、TOEFL、ケンブリッジ、IELTSなど各種あるように、ドイツ語の成績を証明する試験もいくつか存在します。
オーソドックスなものは、「ゲーテ試験」か「TestDaF」でしょう。他にも、大学受験、という限定した用途で用いられる「DSH」という試験も存在します。
いずれの場合も、TOEFLのように、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング、の4つの技能が求められ、それらの合計点でもって、ドイツ語の習熟度が証明される形です。
一般的に、大学入学レベル、あるいはビジネスで通用するのは「C1」レベルといわれています。ですので、ドイツの会社での就職、就学を目指すのであれば「ゲーテC1」または「TestDaf4 x 4」(4×4というのは、4つある試験のうち、それぞれ4点以上を獲得する、ということを指す)を習得することが目標になってきます。
日本とドイツ、どっちで語学学校に通うのがおススメ?
どちらのパターンにも、良い点と悪い点があります。日本で語学学校に通う場合、仕事や大学を続けながら通うことができるというメリットがあります。
方や、ドイツの語学学校に通う場合、モチベーションが高まる他、日常的にドイツ語に触れることが可能なため体で覚えやすい、大学進学や就職を目指す場合生の情報に触れやすい、などのメリットがあります。
私は、ドイツに来てこちらで語学学校に通いましたが、中には、日本にある語学学校で基礎的な部分を勉強してから、ドイツに移ってくる、といったようなケースの人もちょいちょい見かけました。