なかなか留学情報誌にも載っていないドイツの大学院情報。
日本とは受験の仕組みも言語も異なりますが、この記事では申込方法について分かりやすく解説していきます。
ドイツの大学院:まずは申込日を抑えよう
ドイツの大学院には、入学試験のあるところと、ないところがあります。
一般的に、州立大学ではないところがほとんどで、その場合、
- 学部時代の成績
- 語学スキル(授業についてこれるだけの)
の2つで決まることがほとんどです。この場合、要するに申込用紙、成績証明書、語学証明書、あとは志望動機を提出するだけで、申し込みは受理される形です。それゆえ、日本から申し込むことも十分に可能です。
申込日に関して、ざっくり分けるとドイツの大学院には冬ゼメスターと夏ゼメスターの二つが用意されていて、どっちから入ってもあまり違いはありませんが、一般的には冬ゼメスターから入るのが基本とされています。
夏ゼメスター:4月~9月
冬ゼメスター:10月~3月
それぞれ、ゼメスターの始まる3~5ヶ月前には申し込みの締め切りがありますので、夏から始めたい場合には遅くとも1月頃には、冬から始める場合には6月~7月頃には必要書類を提出しておく必要があります。
申し込みに必要なもの
上述の通り、オーソドックスに必要になってくるのは1)学部時代の成績、2)語学の成績、で、あとは、場合に応じで、職歴なども求められてきたりします。
1)学部時代の成績
さて、学部時代の成績ですが、入りたい大学、学部によって求められてくる水準は異なりますが、おおよそ、GPA換算で3.0以上あると安心です。2.5以上でもなんとかなります。2.5を下回るようですと、かなり入れる大学が限られてきてしまいます。
また、ドイツの大学院の場合、基本的に、学部時代の専攻と同じ、あるいは同等レベル、という縛りがあります。ですので、仮に学部時代にドイツ語学部でいい成績を残した、といって、大学院からマーケティングを専攻する、ということはできません。
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とは言え実はここにも抜け道があります。例えばドイツ語学科専攻でも、社会学系の授業の単位を取っていれば、そういった単位をかき集めて大学の先生に一筆書いてもらうことで、社会学の専攻に引っ越しすることも可能なんです。
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2)語学の成績
文系の場合、大抵ドイツ語のレベルが入学にあたり求められてきます。
理系の場合、ドイツ語はマストではない場合もありますが、ビジネス、法律あたりの学部になってくると、大抵、ドイツ語+英語が求められるようになり、それを満たすために、語学学校や、大学の語学準備コースでドイツ語の勉強をし、試験をパスするパターンがよく見受けられます。
3)申し込み書類類
上記の2つは一般的に必要になってくる受験要綱ですが、それらを証明するために、またはそれらに加えて、たくさんの必要書類の提出を求められます。
具体的には、学部の卒業証明書、学部の成績証明書、高校の卒業証明書(大学院受験であっても必要になってくる)、語学の成績証明書(TOEFLなど)、就業経験がある場合その証明書、等々です。
こうした必要書類を集めるために、母校に帰ったりする必要がありますので、仮にドイツに渡航し、そこで申し込みをしようと考えている人は、渡航前にこういった必要書類を持って行ったほうが良いでしょう。
申し込み費用・学費
州立の大学の場合、一般的に申込費用は無料です。日本から書類を郵送する場合、その郵送費用がかかるくらいですが、日本の大学のように一校当たり何万円もする、ということはありません。
ですので、時間の許す限り、受験したい大学院は全てお応募しても、別に追加費用が掛かるわけでもありません。
ただし、一部、公的な機関を通じての受験をする場合は手数料がとられたり、私立の場合は一校につき〇〇ユーロ、という料金が請求されたりしますので、注意が必要です。
学費も同様に、州立の場合、年間5~6万円ほどで、ほとんどないといっていいようなものですが、私立になると急に学費が跳ね上がり、年間100~200万円くらいかかります。
合否通知
合格は、メールまたは郵便で結果が送られてきます。私の場合、受験からおおよそ1~2ヶ月くらいで、受験校からの返答が来たと思います。
合格の場合、Zulassungsbescheinigungという合格許可証が送られてきて、何週間以内に学費を振り込んで、法定の健康保険(加入方法の記事はこちら)に申し込んでください、みたいなことが書かれています。
ドイツの場合、お役所仕事が遅いので、もし不明点があれば、メールではなく電話で逐一問い合わせたほうが良いでしょう。そうしないと、いつまでたっても返事が返ってきませんし、場合によっては担当者が1ヶ月くらい夏休みに出かけてしまっていることもあります。
全ての事務処理が完了すると、晴れて大学院生の仲間入りです。
大学が決まったら、すぐに住居探しを始めましょう。ゼメスターが近づくにつれ、新入生が新居を探し始めるので、あっという間に埋まってしまいます。